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セブン-イレブン店員、救護活動への協力を拒む「マニュアル対応」に疑問の声

事故現場の状況

緊急時の救護活動への協力を拒み、「マニュアル対応」をとったセブン-イレブンの店員の判断と行動を疑問視する声が、読者から寄せられた。2019年8月下旬、大阪府内で二人の子供を乗せた母親が乗った自転車が勢いよく転倒した。その場面に出くわして、負傷した子供たちの救護活動に当たったのが情報提供者だった。

2歳くらいの女の子は、こめかみ付近から出血。4歳くらいの女の子は、落下時に右腕を地面に打ちつけてしまったようで、「痛い、痛い」とずっと泣き叫んでいた。すぐ近くにセブン-イレブンがあったため、子供たちの痛めた箇所を冷やしてあげた方がよいのではないかと考え、情報提供者は店へ氷を買いに行った。

 

事故が発生した現場の様子。歩道と車道の段差で自転車が転倒した模様だ。

 

今回のトラブルが発生した店舗。


店員のマニュアル対応

氷はプラスチック容器に入っていたので、レジ袋に移し替えて子供たちに1袋ずつ渡そうと考えた。「レジ袋、2枚もらえますか」と尋ねると、「1枚しか無理です」と40~50代の女性店員は返答。負傷した子供たちの救護活動に使うと事情を伝えたが、「一つの商品には袋1枚だけと決まっているので」と述べて、店員は頑なに拒んだ。

腕を痛めた女の子は「(腕を)まっすぐにできない」と泣き続けており、骨折も疑われる。こめかみを怪我した女の子も、広い範囲が内出血していて泣きやまない。そのような状況を改めて説明したが、もう一人の同年代の女性店員の回答も、先程の店員と同じだった。最後には「そういうマニュアルなんで」と言って、薄笑いを浮かべた。

店員の一連の対応に情報提供者は激怒して、思わず小銭をレジに投げつけるようにして支払い、店を出た。「救急車、呼びますか?」と情報提供者が尋ねると、「知り合いのいる病院に連絡がついたので、そちらへ行きます」と女の子たちの母親は答えた。母親はまもなくタクシーを呼び、病院へ向かったという。

 

情報提供者が当該の店舗で氷を購入した際のレシート(当サイトにて画像の一部にモザイク加工を追加)。

 

情報提供者は、本件をセブン-イレブンの本社に伝えた。応対した社員は驚いた様子で、本件を調査すると約束した。後日、「スーパーバイザー」もしくは「経営指導員」と呼ばれる、当該地域を管轄する担当者から連絡があった。店のオーナーが女性店員二人に事情を尋ねたところ、客の要請を拒んだことを認めたという。


店側の見解

「経費削減のため、袋は1枚しか渡さないように指導している。今後、このようなことがあった時は、きちんと対応するように指導する」とオーナーは担当者に述べたそうだ。だが、当該の店舗は「地域社会の安全・安心なまちづくり」の「セーフティステーション活動実施店」だ。その店が「次は気をつける」という甘い認識と対応でよいのか。

 

店の入口に貼られている「セーフティステーション活動実施店」の掲示物。

 

「災害時帰宅支援ステーション」や「こども110ばん」といった掲示物もある。

 

店側の回答は納得しがたいと考えた情報提供者は、オーナーに改めて問うように担当者に依頼した。その後、9月中旬になって、ようやく回答が届いた。「今回の事故が起きたのは店内ではないので、店には直接関係がない」、「日頃から経費削減のための指導をしているので、対応した店員たちは悪くない」とオーナーは認識しているという。

ただし、経営的な観点とは別に、「人としてどうなのか」と問われれば、「今後このようなことがあれば、きちんと対応したい」と考えているそうだ。担当者は、「フランチャイズ契約という関係上、オーナーに強制したり指導したりすることはできない」と述べた。それゆえ、担当者としては店に対してこれ以上意見を言う立場にはないという。

また、本件について、本部の上司に話を上げる必要はないと判断したとのこと。以上の回答に納得できない情報提供者が「本件をネット上で公開してよいか」と問うと、担当者は「それを止めることはできません」と答えた。念のため、証拠として回答内容を文書にしてほしいと要請したが、それはできないと担当者は拒んだ。


まとめ

店側が主張するように、事故は当該の店舗の敷地内での出来事ではない。それゆえ、店側に対応の「義務」はないかもしれない。しかし、一連の対応は正当であると、胸を張って言えるだろうか。緊急事態で氷を買い求めに来た客に対して、40~50代の店員たちがマニュアル通りの対応しかとれなかったことは、あまりにも情けない。

 

高橋 

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