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自転車レーンの実態を疑問視する声が続出!日本一短い(?)レーンの謎を検証

各地の実態

先日、各地に設置された自転車レーン(自転車道)を疑問視する声がSNSで相次いだ。発端は、Twitterにて公開された動画だった。車道の端に自転車レーンが設置されているが、そこに多くの自動車が停まっているため、自転車がレーン上を走行できないという。この動画は大きな反響を呼び、各地の同様の事例を報告するツイートが続出した。

 

このたび話題になった動画の一場面。

 

成功例では、車道と自転車レーンの間に縁石があり、自動車が自転車レーンに侵入してこないように設計されている。自転車レーンを自動車が塞ぐことがないように、車道と自転車レーンの間に自動車を停めるためのスペースが用意されている地域もある。このように対策を徹底しなければ、自転車レーンは有効に機能しないというのだ。


日本一短い?

上記の動画を見た読者から、「地元に奇妙な自転車レーンがあるので、真相を調べてほしい」という依頼が当サイトに寄せられた。情報提供者によると、当該の自転車レーンは東京都豊島区に設置されたものであり、「日本一短い自転車レーンかもしれません」という。なぜそれほどまでに短いのか、以前から疑問に思っていたそうだ。

当サイトでは現地を訪れて、実態を確認した。場所は、白山通りの巣鴨4丁目付近だ。植栽による中央分離帯を挟んで、一方は歩行者専用、他方は自転車専用になっている。白山通りの両側、つまり巣鴨駅方面と板橋方面の両側に自転車レーンが設置されているが、いずれもごく限られた区間だ。記者もここまで短距離の自転車レーンを見たのは初めてだ。

 

白山通りの巣鴨駅方面に設置された自転車レーン。

 

白山通りの板橋方面に設置された自転車レーン。巣鴨駅方面のものよりも少しだけ距離が長い。


設置の背景は

東京都建設局の第四建設事務所によると、自転車レーンの距離が非常に短いのは、周辺の地権者との調整がついていないといった事情ゆえであるという。この一帯では、平成の初期から歩道の拡張のための用地買収が進められてきた。歩道拡張工事は数年前にようやく完成を見たが、工事の一環で設置された自転車レーンは未整備の区間が残された状態だ。


先述のように、植栽によって歩行者専用と自転車専用に道路が分離されているのは、ごく一部だ。植栽が設置されている場所の付近には、「歩行者」と「自転車」のナビマークが歩道上に描かれている区間もある。今後、地権者との調整がついた場合は、整備のための工事が行われ、自転車専用と歩行者専用に分けられた範囲が延長されるという。

 

植栽が設置されている場所の付近の歩道上に描かれているナビマーク。


地元住民の声

情報提供者曰く、「せっかく自転車レーンを造るのならば、もっと距離を延ばしてほしい」という。距離が短いためか、植栽によって自転車専用と歩行者専用に歩道が分かれているにもかかわらず、歩行者専用道路を自転車で走行する人々もいるというのだ。「歩行者専用だから自転車は来ないだろうと油断して歩いていると、かえって危険です」。

 

当サイトが現地取材中にも、歩行者専用道路を走行する自転車を目撃した。

 

歩行者専用道路を歩く小学生や高齢者のすぐ横を、自転車が高速で走り抜けていく光景を目撃したこともあるという。「昔よりも歩道が広くなって、確かに歩きやすくなりました。でも、広くなった結果、自転車でものすごいスピードを出して歩道を走る人が前よりも増えた気がします」。結局は、自転車利用者の心がけ次第ということだろうか。

 

高橋 

 

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