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秋葉原「三月兎」の「謎袋」はインチキだった!個人情報の杜撰な管理も発覚

今年1月に閉店した秋葉原の雑貨店「三月兎」について、倒産の裏事情を前回の記事で扱った。その後も同店に関する取材を継続した結果、新たな問題が次々に発覚した。新年に売り出される「謎袋」(「謎福袋」と呼ばれることもある)は、三月兎の名物だ。毎年その内容が話題になるなど、注目されていた企画だった。

 

 

 

当サイトの取材に応じた元関係者は言う、「謎袋は、店頭分には基本的に当たりを入れていませんでした」。通販用と同じものが入っていると告知していたが、嘘だったという。これは、取締役(前回「B氏」と書いた人物)が採用した方針だった。店頭で買った場合、謎袋に入っている最高額の商品は、6000円くらいの2TBのHDDだったそうだ。

通販用に店のブログに掲載された内容にも、誇張があったという。例えば2016年の謎袋には、「デジタルハイビジョンテレビ40”クラス」とあるが、実際には25インチだった。2017年の謎袋の告知にも、「大き目のテレビ(40インチは超えてるっぽい)」とある。だが、元関係者曰く、「過去に32インチ以上のものを送ったことはありません」。

さらに、当たりとして記されていたものの一部しか、購入者に届くことはなかったというのだ。2017年を例に挙げると、購入者に実際に発送されたのは、「業務用のHDMI機器」、「監視カメラキット」、「強力なレコーダー」、「大容量なSSD」のみだったという。このような実態を改めるべきだという声も社内にあったが、聞き入れられなかった。

 

 

 

また、情報管理も非常に杜撰だったという。第一に、社員が日常の業務で使用していたアカウントは当人が退職後も削除されず、放置されたままだった。退職済みの人物のアドレスに届いたメールの内容を、社内の関係者たちが自由に閲覧できる状態だったそうだ。こうした状況は、以前から社内で把握されていたにもかかわらず、改善されなかった。

第二に、通販サイトやAmazonなどの管理画面に、退職済みの人物のアカウントでログインできるという問題が発覚したこともあった。退職した人物から、「サイト上に管理者として自身の名前が残っているので修正してほしい」という依頼があり、確認した際に発覚した。だが、早急な対応がとられることはなく、放置されたという。

 

 

このことは、顧客の個人情報管理の面で致命的な問題であると、前出の元関係者は指摘する。退職して以降も、顧客の個人情報に自由にアクセスできる状態にあるというのは、とんでもない事態だからだ。謎袋の問題も情報管理の問題も、上層部が独断で全てを決定し、以降は改善が図られなかったという点に、根本的な原因があったようだ。

 

※モザイク加工は当サイトによるもの

 

高橋 

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