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暴行動画で炎上の高校、謝罪文が他校に酷似?パクリ疑惑の騒動が発生する理由

先日、博多高校(福岡市)の男子生徒が教諭に暴行する様子を撮影した動画が話題になり、新聞やテレビでも大々的に報じられる事態となった。騒動の発端は、問題の場面を撮影した動画がネット上に出回ったことだった。それを閲覧した人々からの非難の声が相次いで、炎上した。

 

 

 

その後、博多高校は、校長名義での謝罪文をホームページに掲載した。だが、謝罪文の内容の一部が的外れではないかという批判が続出した。一例が、動画を撮影してSNSに公開することの是非や、ネット利用のモラルに関わる教育の充実を図ること等に言及した箇所だ。今回の騒動では、生徒による暴行が主に問題視されていたため、これらの記述は人々の反感を買うこととなった。

 

 

さらに、上記の箇所をはじめ、今回の謝罪文全体が、過去の炎上騒動で他校のホームページに掲載された文章に酷似しているという指摘がなされた。比較の対象となったのは、2015年にTwitterでの騒動が発生した際の、浦和学院高校による謝罪文だ。「至りませず」といった、あまり見かけないと思われる、特徴のある表現まで一致していた。

 

 

博多高校はメディアの取材に対し、他校の謝罪文からの盗用疑惑を全面的に否定した。本件について、当サイトの読者でインターネットのセキュリティ関連の事業を手がける人物から情報が寄せられた。情報提供者は言う、「ネット上から謝罪文をコピペしていないというのが本当だとしても、このようなことが発生する可能性はあるかもしれません」。

 

 

現在、多くの学校や教育委員会が、ネット上の炎上騒動に備えて業者と提携している。委託先の業者による「ネットパトロール」が、常時行われているのだ。業者は委託元の学校の生徒のSNSのアカウントを見つけて、不適切な書き込みや画像及び動画がないか、チェックしている。発見すると、情報が依頼者に伝えられる。

それでも騒動を未然に防げるとは限らない。そうした事態に備えて、ネットパトロールに加えて、騒動発生時の対策についても委託が可能である。その中には、「謝罪文の代筆」もあるという。つまり、学校や校長名義の謝罪文であっても、それを書いているのは業者であるかもしれない。その業者が謝罪文をどこかからコピペする可能性が、あり得るというわけだ。

実際、これまでにネット上の炎上騒動を学校や教育委員会に取材した際に、「委託先のネットパトロール業者から知らされて、把握済みです」という趣旨の回答を得たことが何回もある。ある中学校の教頭は、「教育委員会の方針で、そうなっています(ネットパトロールが行われている)。警察への通報や弁護士への相談も全部、業者が段取りを整えてくれます」と明かした。

前出の情報提供者曰く、「事実上、『丸投げ』状態で、学校から依頼を受けることも多いですね」。生徒指導を担当の教諭や教頭から、「私どもはネットのことはよく分からないので、全てお任せします」と言われることも珍しくないそうだ。だが、悪意によるものではないとしても、業者が何らかのミスをした場合、取り返しのつかない事態になるかもしれない。

今回の件に限らず、企業などがホームページに掲載した謝罪文にコピペ疑惑が浮上することが、これまでも度々あった。その一部は、委託先の業者が原因だった可能性もありそうだ。事実関係の確認や謝罪文の執筆など、重要な点については安易に業者に全て任せてしまうのではなく、自ら行う必要があるのではないだろうか。

 

※モザイク加工は当サイトによるもの

 

高橋 

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