山手線の駅前、都会なのに平日の夜でもタクシーが皆無!その意外な理由とは


東京都の中心部を走る、JR山手線。山手線の駅周辺といえば、交通の便が良いというのが一般的なイメージだろう。駅前のロータリーには大抵、多くのタクシーが絶えず待機している。ところが、実際にはこのようなイメージとは全く異なる状況が見られる地域もあるようだ。

東京都文京区の「六義園」では、この時期、紅葉のライトアップが行われている。そのため、夜にも多くの観光客が訪れる。最寄り駅である、山手線の駒込駅から徒歩で六義園へ来る人々が多い。一方でバスやタクシーを利用する人々もいるのだが、近頃は「タクシー不足」が深刻になってきているとの情報が寄せられた。

 

 

 

多くの観光客が訪れるこの時期に限らず、週末の夜は駅前の乗り場にタクシーがほとんど停車していないという。タクシーが駅前を通っても、なぜかロータリーに入ってこないことが多いそうだ。平日の夜でも、台数がかなり少ない日もあると、情報提供者は述べる。特に雨天の日は台数がより少なく、タクシーを待つ人々の列ができて、乗車するのに一苦労だという。

 

 

情報提供者は言う、「この間も日曜日の夜にタクシーに乗ろうと思ったら、1台も(駅前ロータリーに)来ていなくて。私の前に何人か待っている人がいましたが、その人たちに聞いても『もう、ずいぶん待っています』と言っていました。自分が乗るまでに、20分くらいは待ちました。山手線の駅前の光景としては、信じがたいものだと思います」。

このたび、当サイトでは平日の昼間に現地へ向かった。すると、乗り場にタクシーは皆無だった。しばらくして1台来たが、その後に次の車両が来たのは5分後だった。そもそも、この時間帯はタクシーの利用客もあまり多くないようだ。夜間の状況を確認するために、同日の夜に再び現地を訪れた。

 

 

20時過ぎ、駅前に到着。この時も、タクシーは1台も見当たらなかった。タクシー乗り場に並んでいた人々に話を聞いてみると、「最近、タクシーをなかなか拾えなくなった」という回答が相次いだ。だが、その理由については「よく分からない」という。そこで、実際にタクシーに乗車し、車内で運転手に事情を聞いてみた。

 

 

その結果、意外な理由が判明した。運転手曰く、「ここから乗るお客さんは近くの人が多いから、せいぜい1メーターかもう少しくらいで下りちゃう。それだと稼ぎにならないって、駒込は通り過ぎて(山手線の隣の駅の)巣鴨とかへ行くやつも多いよ」。情報提供者が言っていた「タクシーがロータリーに入ってこない」というのは、このような理由だったのだ。

運転手によると、タクシー料金の改定が少なからず影響しているという。タクシーを低額で気軽に利用してもらいたいとの理由で、タクシー業界は23区内での初乗り運賃を410円に引き下げた。その結果、駅の周辺を中心に営業していた運転手たちが従来通りに仕事をした場合、期待できる収入がかなり少なくなってしまったというのである。

また、夜の遅い時間帯や週末には仕事をしないという運転手も、近辺では増えているとのことだった。タクシー乗り場に列ができるくらいのニーズはあるのではないかと尋ねたが、「いつも(客が)並んでるってわけじゃないから。暇な時は、駅前で待っててもお客さんは全然来ないこともあるし」という。

初乗り運賃の大幅な引き下げに伴い、「より遠くまで乗ってくれる客が、より多く集まる場所で仕事をしたい」というのが、運転手たちの本音のようだ。収入を維持するためには、やむを得ない判断かもしれない。初乗り運賃の引き下げによる利用客の増加を期待したタクシー業界の目論見は、果たして成功したと言えるのだろうか。

 

高橋 


SNSでもご購読できます。