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話題の「スマホを振ってタクシーを呼ぶアプリ」は本当に便利なのか?

2017年11月にリリースされた、「振って呼ぶタクシーアプリ」がキャッチフレーズの「フルクル」をご存じだろうか。東京都内の駅前でも、タクシーに乗ることが容易ではないという実状を、昨年の記事で紹介した。すると、この記事を読んだ読者から、フルクルに関する情報が寄せられた。

 

(1)フルクルの体験談と評判

情報提供者はタクシー乗車時に、フルクルの宣伝カードを運転手から手渡された。「『フルクル』は、スマホを振って『タクシーに乗りたい』というサインを出すだけで周辺の空車タクシーが集まってくる、タクシーとお客さまをゆるーくつなぐマッチングアプリです」。

 

 

早速フルクルを使い始めたが、予想もしていなかったような経験をしたという。アプリを起動してタクシーを呼ぶと、1台がこちらへ向かってくる様子が画面で確認できた。当然、そのタクシーに乗車できるだろうと思っていた。ところが、20メートルくらい前方に立っていた人物が突然、タクシーを見て手を上げた。すると、自身のところへ向かってきていたはずのタクシーは、その人物を乗せてしまったという。それを不快に思い、どこか納得しがたいと感じたそうだ。

フルクルのユーザーレビューには、様々な意見が寄せられている。便利だと絶賛する声もあれば、「GPSの位置ずれで、自分のいる場所にタクシーが来ない」など、改善すべき点の指摘もある。また、「近くにタクシーがいるはずなのに来なかった」、「場所や時間帯によってはほとんど役に立たなかった」といった苦情も見られる。

 

 

(2)記者の体験と関係者の話

当サイトでは、実際にフルクルをインストールして試してみることにした。駅からは少し離れた、夜間に交通量の多くない場所でアプリを起動した。画面には、周辺の状況が表示され、間もなくタクシーが向かってくることが、バイブレーションと共に通知された。こうして、通常ならばタクシーがあまり通らないと思われる場所にて、短時間で乗車することができた。

 

 

記者が乗車したタクシーの運転手曰く、「どこに(タクシーを必要としている)お客さんがいるか把握できるというのは、こちらとしてもありがたいですね」。だが、「待っている間に先に来た別のタクシーに乗ってもOK」とアプリの説明にもあるように、せっかく現地へ向かっても、他の車両が先に客を乗せてしまうということが、しばしばあるそうだ。

続いて、フルクルを提供している国際自動車株式会社に話を聞いた。フルクルの対象エリアを走る同社のタクシーの全車両が、フルクルに対応しているという。前出の情報提供者の経験について尋ねたところ、「正当な理由なく乗車を拒否することは、道路運送法で禁止されています。そのような理由で、もしアプリを使ってタクシーを呼んでくださったお客様の手前で手を上げた方がいれば、そちらを優先せざるを得ません」という。確実に乗車したい場合は、コールセンターに電話をかけるか、迎車を手配する別のアプリを使用してほしいとのことだった。

 

 

(3)総合評価・まとめ

以上から言えることとして、フルクルはあくまでも「周囲のタクシーを集める」アプリであるということを前提に使うことが肝要だ。フルクルのメリットとデメリットと思われる点を、まとめておきたい。

[メリット]
・無料でタクシーを呼べる
・周囲にタクシーが見当たらない時に、自分の足で探さなくてよい
・普段はタクシーが通らない場所で待っていても、見つけてもらえる
・自分が呼んだタクシーよりも前に別の車両が先に来た場合、それに乗ってもよい

[デメリット]
・タクシーを呼んでも、必ずしも来てくれるとは限らない
・自分が呼んだタクシーを見つけた他人が、先に乗ってしまうかもしれない
・位置情報が不正確な場合、期待した場所にタクシーが来ないことがある
・周囲にタクシーが全く走行していない場所では役に立たない

一定の交通量がある場所での普段使いということであれば、フルクルは手軽で便利なアプリではないかというのが、記者の感想だ。国際自動車の担当者が述べていたように、どうしてもタクシーを確保したい場合や緊急時などは、迎車サービスを利用すべきだ。フルクルを利用して待っていても、期待通りタクシーにすぐに乗れるとは限らないからだ。用途に応じて使い分けるというのが、賢明な利用方法だろう。

 

高橋 

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