●更新日 02/20●


病院でこっくりさんをしてみる


先日、
こんなことをしたら、

こんなことになった。
詳細(読み飛ばし可):フラッシュペーパー体に巻きつけてへらへらしながら着火、したらば火力は予想を遥かに超え、カメラを止めた直後に激痛三昧七転八倒、こりゃあ死ぬってんで救急呼んだら「上半身全体火傷」の通報に事を重く見たレスキューのおじさん殺到、その数九名、全員にことごとく理由を聞かれ、そのつどフラッシュペーパーの説明、病院ついたら今度は処置室のドクター六名にもフラッシュペーパーの説明、疲労困憊、話を聞いた人全員に決まり決まって馬鹿を見るような顔されるのはどうでもいいとして、フラッシュペーパーの話なんて後でいくらでもするから早く鎮痛剤を打ってください死にそうなんです、願いは叶わず事情を話さないことには治療はできないらしく苦痛に悶えながら必死でフラッシュペーパーについて解説、多分一生の中で最もフラッシュペーパーについて真剣に考えた瞬間、そして呪った瞬間、とにもかくにも二度と火遊びはしないと誓った。PS:お医者さんがつけたあだ名は、「若手マジシャン」。


自分で言うのもなんだが、

ほんっと頭のコンディションを疑われても文句をいえない入院の仕方だと思う。

なんでも、直接の原因になったフラッシュペーパーという代物は、
燃焼するときに普通の紙とは比べ物にならない温度を発するらしく、
後から聞いたことにはその原料は火炎放射器の燃料に使われるものと同じ。

なんですか?また私は自分の知らないところで自分を殺害しようとしてしまったのか?
火炎放射の燃料体に巻きつけて着火て、それは俗に言う自殺なのでは?

少なくともこんな馬鹿げた理由で入院するのは私と、よっぽど運の悪い手品師くらいだろう。

入院初日の夜、そんな自分のアホさを省みていたら、比喩じゃなく涙がこぼれてきた。
もうこんな非人間的な行いは一生しない。今後は地道に、まじめに生きていこう。心に決めた。




二日後。




飽きた。入院生活つまんね。

退屈で頭がどうにかなりそうだ。本やテレビはもう飽きた。やべぇ、人生全然地道じゃない。
誰でもいいからお話がしたい。コミュニケーションをとりたい。
でも誰もお見舞いに来てくれないし、ナースさんは私を相手にしてくれない。

そこで名案を思いついた。
昔ながらの懐かしい方法で、不特定の方とコミュニケーションをとれる方法だ。

ザ・こっくりさん。

人間が相手してくれないなら霊界にコミュニケーションを求めるまでだ。
霊界版Twitter、いや少し違うな、霊界版YAHOO!知恵袋と言えなくも無いこのシステム。
生死を超越した回答者の方が私と対話、結果として私の孤独を解消してくれるはずだ。

しかも特筆すべきは、この場所が病院であるということ。

一般的な生活空間よりも明らかに死が身近にあると言える病院ならば、
こっくりさんも降臨しやすいのではないのか。

というわけで、病院でこっくりさんをやってみた。


「コックリさんコックリさん いらっしゃいましたら…(略」

所定の呪文を唱える。これはYAHOO!知恵袋で言うところのログインだ。

よし、準備は整った。早速質問をしていきたいと思う。

「コックリさんって僕のことどう思います?」

……。

返答はない。うーん、質問がシビアすぎたか?
やはりこういう質問はふたりっきりのときに実際面と向かってした方がいいのかもしれない。
次にいこう。

「前世って信じます?」

……。

だめだ…、霊力が足りないのだろうか?もっと念じよう。

ヌオオオ。
「巡査部長の偉さがいまいちよく分かりません」

フオオオ。
「サブプライムローン問題について一言」

ウオオオ。
「何故お母さんはベッドの下のエロ本を机の上に整頓して置いておくのですか?」


……。


ダ メ だ。

コックリさんが答えてくれる気配はまるで無い。
十円玉はぴくりとも動かない。

うーむ、病院というスポットの力を借りてもコックリさんにきてもらうのは難しいようだ。
たしか以前死体の上で呼び出してもこなかったことがあった。

だが病院は本当に死に近いのだろうか?
病院は基本的なスタンスは死を生に転じる活動を行うというもの。

死に近いようで、病院はやはり死に相反しているのだ。死に戦いを挑んでいるのだ。
そう思い至り、病院に抱く頼もしさ、信頼がいっそう私の中で強く燃え上がった。
コックリさんは呼び出せなかったが、再確認という意味合いでいい結果になったと言いたい。







とかなんとか、箸にも棒にもかからんしょぼすぎる結果をどうにか落とそうとしていたら



なんか点滴に血が逆流し始めた。

え?何もしてないよ、俺?
さっきまで全然普通に薬剤が流れていたのに。

え?え?

ちょっ!マジで半端のない勢いで逆流してるッ!

やべぇ、マジで止まらない。半分パニック。
※この後本気でビビってナースコールをする。

こ、

これは…、もしかするとコックリさんの、

TATARI…?



ちょっと調べた。
 こっくりさんのタブー
  1. × 1人でやらない。
  2. × ふざけ半分でやらない。
  3. × びびらない。
  4. × 10円玉やペンなどから、手を離してはいけない。
  5. × 途中で止めてはいけない。
  6. × こっくりさんが帰ってくれない場合は、帰るまでお願いをする。


おい、3以外全部やってるよ。


確定。祟りです。



ニノマ



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