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怖がり探偵の 心霊スポット行脚 |
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05.たっちゃん池 心霊事件簿も5回目である。今回も私・探偵Kと山木でお送りする。
東京の東村山市。志村けんを輩出したことで有名なところである。 山木「♪ひがっしむらやあまぁ〜 庭さぁっきゃ〜多摩ぁ湖ぉ〜」 能天気に東村山音頭をフリ付きで熱唱している。 山木いわく、『たっちゃん』へ捧げる鎮魂歌のつもりだという。 そんな鎮魂歌を捧げられては、成仏しているかもしれない『たっちゃん』も「しむらぁ!後ろぉー」の時の幽霊のように化けて出てくるに違いない。 山木「♪狭山茶どころ 情けがあつい 東村山4丁目(あ、そ〜れ)」 あいの手まで自分でつけてノリノリである。 実際、志村けんのそれと本来の東村山音頭はいろいろ違うらしいが(参考サイト)、この池は『茶どころ』と歌われた狭山の、狭山公園内にあった。 狭山公園の地図 狭山公園はかなり大きい。池はその奥にあったが、思った以上に大きかった。 ちょっとしたサッカーグラウンドぐらいはあろうか。 おじさん達がのんびりと釣りをしていたので、いろいろと話を聞いてみた。 正式には、『宅部の貯池』というらしい。 1925年の貯水工事の際に『たっちゃん』は溺れ、助けようとした青年監督官2人も溺死。 その3人の遺体は沈んだまま浮かび上がることはなかった。 それ以降、月明かりの中この池に行くと池から手が伸びて来て池に引き込もうとし、一旦池に引き込まれたら二度と浮かび上がってはこない・・・。 本当のところは、しばらくして少し離れた水底から3人の遺体を発見した、ということであったが、でも3人がこの池で亡くなったことは確かなようだ。 その他にも、お婆さんや高校生が死んだという話も出ている。 地元の間では『河童伝説』まであるという。なんとも物騒な池である。 池は深くて危険! 最初に溺れた子供も、助けてあげられなかった青年2人も、さぞ無念だったであろう。 特に青年2人は... 「助けることができなかった」 「自分たちも死んでしまった」 という残念と後悔の入り混じった複雑な思いが交錯し、その思念が人をこの池に引きずり込むのではないかと考えてみた。 私が感慨に耽っていると、山木は... 「♪一丁目 イッチョメ ワゥオ〜」 物思いに耽っていると、山木が未だに東村山音頭を歌っている。 山木にとっては、ここが「心霊スポット」ということよりも「東村山市」であるということのほうが重要らしい。 頭が痛くなってきた。
山木が、静かに口をひらく。 「ここ、夜に来たら怖いでしょうね・・・。月明かりの下、この湖に引きずり込まれる・・・。Kさん、溺れ死ぬって、どんな感じなんでしょうね。」 山木の口調は、「母さん、ボクのあの帽子どうしたでしょうね」という『人間の証明』のセリフを彷彿とさせた。 怨霊が山木を池に引きずり込む瞬間 はっ!私は気がついた時には山木の背を押していた・・・!?。 いくら「嫌だ嫌だ」といっても心霊事件簿のたびに借り出されてしまっている私。 その癒されぬ心にいつしか芽生えていたもの、それは殺意であったのか? いや、違う。昔溺れた3人の怨念が、『東村山音頭』を鎮魂歌などといって歌う山木に怒りを感じて池に引きずり込んだに違いない! (山木註・Kさんの手が思いっきり写ってるじゃないですか!) 「嘘・・・」 自分の身に起きた出来事を信じられないかのように言葉を呟き、スローモーションのように池に落ちてゆく山木。 ザッパーン 濁った水が音をたてて飛沫となる。 怨霊に引きずり込まれた!! そして私は濁った池でもがき苦しむ山木をただ見つめるのみ。 さながら、息子がプールで溺れているのを見ても鬱になるだけで助けることすらできない大江健三郎のようであった。 池は藻がものすごく、水の色が緑に変色している。 W杯の道頓堀川ではないが、有害な細菌もいるであろう。 たまたま浅い場所だったからいいものの、注意書きにもあったように、ちょっと深みがあれば足を藻にとられて溺れていたかもしれない・・・。 って、あはは、そんな殺人未遂まがいの事をホームページでやる訳もありませんよね。 と、いうわけで今回の心霊事件簿はすべてフィクションであり、山木が池に落ちている画像&動画も合成写真ということにしておきますか。 そんなわけないでしょう!! by山木
( 電脳探偵・山木 & K )
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