●更新日 01/08●


IPA流出事件職員の妻の転売業者、薬事法違反が確定


ニュースウォッチで連日取り上げている、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)職員が引き起こした情報流出事件(参考記事 1 2 3 4 5)。 その中で注目されているものの一つが、職員の妻が手がけていた石鹸の転売である。

2009年1月6日の記事で詳述しているように、長野県松本市の「社会福祉法人ちくま」が製造・販売する手作り石鹸を、この人物は自身が販売責任者を務める「石鹸生活」HPで転売していた。それが転売であることの記載はなく、ちくまと比較して販売価格も倍額に近いものだった。この点について、ちくまに当サイトが問い合わせたところ、石鹸生活による転売について全く知らなかったという。

手作り石鹸については、薬事法違反となる可能性が指摘されてきた。石鹸生活HPには「赤ちゃんにもママにも優しいリサイクル無添加石鹸(石けん)」とあるが、こうした記述とそれを売りにした手作り石鹸の販売に問題はないのだろうか。そのように考え、日本石鹸洗剤工業会に話を聞いてみた。



石鹸生活HPの掲載内容と販売の実態について説明したところ、同会の担当者は「明確な薬事法違反ですね」と即答した。そして、肌に使用する製品は化粧品と同じ扱いとなり、薬事法に基づいた製品管理・販売が必要であると強調した。石鹸生活では「肌への優しさ」を謳って転売されている当該の手作り石鹸は、化粧石鹸や薬用石鹸としての認定及び製造・販売の許可を得ているわけではない。



また、石鹸生活がHPを削除して逃亡したことを、同会では問題視している。IPAの流出事件が進展する過程で予告もなくHPが削除されたばかりか、そこに掲載されていた販売責任者の携帯電話も解約され、電話での連絡が取れなくなってしまった。「肌への優しさ」を掲げて販売された手作り石鹸の使用によってトラブルが生じた場合等に、消費者が連絡を取ることが困難になっていることは問題であるというわけだ。

ちなみに、以下のような意見も、これまでにネット上に多く書き込まれている。「小売された製品を継続的に転売するには古物商の資格と申請に基づく許可が必要であり、それに関する記述がHPに見当たらないということは、石鹸生活は違法な販売をしている可能性が高いのではないか」。その根拠とされているのは、警視庁HPの古物営業法についての説明だろう。



新品であっても転売目的に小売店から購入した製品は古物に該当すると、そこには確かに書かれている。この点について警視庁生活安全総務課に尋ねたところ、「石鹸は使用するとなくなってしまうので、食品と同様に古物には該当しません」との回答があった。各種のトラブルが発生した場合には、消費生活センター等へ相談してほしいという。

今回の事件では様々な疑惑が浮上しているが、薬事法については違反が確定したと考えてよいだろう。その他の諸問題についても、引き続き注視していきたい。




高橋



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