●更新日 03/20●


JRのトイレ汚水垂れ流し問題、意外な事実が判明


JRが駅のトイレから出る汚水を40年以上も川に垂れ流していたと、先頃報じられた。この件について、関係者らへの取材を行なった。

JR王子駅南口に設置されたトイレの排水管が、石神井川への雨水管に接続されていた。これまでに報じられたところによると、配水管工事がなされたのは1966年であり、40年以上もトイレの汚水が川に流れ込んでいたことになる。しかも、東京都はそのことを2007年6月の時点で把握していながら、これまで放置してきたという。地元の住民からは、悪臭がひどいという声が以前から上がっていた。



北区生活環境部環境課の担当者によると、この一帯は石神井川が隅田川に流れ込む場所である。そのため、大水の後にヘドロが溜まるということが以前から起きていたという。それが悪臭の主原因であると、これまでは考えられていた。その度に、汚泥の除去をはじめとする河川の清掃がなされてきたとのことである。

河川問題に詳しい人物にも話を聞いたところ、思いがけない事実を知ることができた。問題が発覚した付近は、石神井川が駅の下を流れている。その場所へは周辺から近づけないようになっていて、川に入ることも当然できない。だが、普段は通行止めになっている場所が、やや上流に遡った地点にあり、そこから入っていくことができるのだという。

区では、石神井川やその他の河川で、投網による魚類調査を定期的に行なってきた。調査に関わった人物から同氏が以前聞いた話では、王子駅下のトンネルになっている部分は、フナやコイなど汚水に強い魚類が集まっていて、大量に捕獲されたという。トンネル内は暗く、悪臭も強いが、これらの魚には格好の住処になっていたようだ。



トンネル内の悪臭や、そこに汚水に強い魚が多かったという点について、駅からの汚水流入問題と関連がある可能性も否定できないと、同氏は述べた。同氏の知人で近辺に住んでいる女性宅では、川からの悪臭があまりにもひどいため、以前から暑い時季でも窓を開けることができなかったという。今回の取材ではその女性に連絡がつかなかったが、近隣には同様の生活を強いられてきた住民も少なくないそうだ。

区や地域住民は、JRや都に抗議の意を表明しているようだが、それだけで済む問題だろうか。長年にわたる環境汚染に対する責任の所在を明確にした上で、未解明な点の究明と、水質の改善に向けての最大限の努力を期待したい。




高橋



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