●更新日 12/19●


驚きのドラッグ対策in世界



押尾学、酒井法子……、芸能人の薬物汚染が続々と白日の下となり、ドラッグへの危機感は高まっているが、具体的な対策はとられていないのが実情だ。



一方、ドラッグが公然と流通するオーストラリアのキングスクロスでは、一部のボランティア団体による驚きの薬物汚染対策を見ることが出来る。

 キングスクロス

彼らはドラッグの害よりも、問題なのは薬物依存者の無知であると考えている。
エイズや肝炎などの感染源となる注射器の回し打ちや、不純物の多い粗悪なドラッグの使用が危険であるということだ。そこで彼らがとる対策は、日本の感覚から言えば、かなり常軌を逸している。



それは殺菌した安全な注射器を配布するというもの。
薬物が流通する以上、依存する人々は存在すると考え、それを糾弾するのではなく、ドラッグの危険性を教え、危険を回避できる使用環境を整るという発想だ。またスイスなど国によっては、自治体から不純物の少ないドラッグが支給される制度もある。

ドラッグの“注射室”

もちろん市民からは強い反論がある。だがキングスクロスの注射器を配布する施設Medically Supervised Injecting Centreはこの3年間で2000人近くの依存者を受け入れ、実際に薬物による死亡者は減っているのだ。

このような発想はドラッグだけではない。例えばイギリスでは、リストカットの常習患者へのケアとして、入院させ、医師の監督の下、安全にリストカットをさせる試みを行っている。

ドラッグの供給源である発展途上国では、急速に麻薬組織が駆除されている。この構図によって、さらに粗悪な麻薬が流通する可能性もあり、上記のような取り組みがなければ、さらにドラッグによる被害者が続出することもありえるのだ。麻薬は悪に違いない。しかし是か非かと問われれば、多くの場合「非」であろうが、その中間をとる、というスタンスが世界に根ざしつつある。



ニノマ



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