★スパイ日記★ 渡邉文男 MAIL : spy@tanteifile.com
8月15日(水)
青森県 G・T
報告が遅れ、もうしわけない。まず、津軽弁のマスターに時間がかかってしまったのだ。
結論から言って、津軽弁ではまったく歯が立たない地域があった。
白金と成城、田園調布だ。
特にシロガネーゼは
「りんご売りなら間にあってます!」
とけんもほろろだった。
しかし、逆に会話が弾み、トントン拍子にホテルに直行できる地域もあった。
三軒茶屋、麻布十番、新小岩、北新宿だ。
これらの地域は、東北出身者の密度が異様に高いということが調べで判かった。
それと、日本心理学振興会の調べによれば、津軽弁は一種の催眠ドーパミンを
分泌させる作用があり、特に北九州地方に在住する女性に大きな作用を
もたらすことが分かった。
つまり、G・T君の場合上記の四つの地域プラス北九州に行ってナンパすれば
モテモテになることはまず間違いない。
さて、以上、G・T君に対する報告は終わるが、世の若者に向けて、
この私が珠玉のナンパ術を披露しよう
その分イケメンも多く競争率が高い。
女1に対して男2の人口比率なのだ。
それよりも、場所で選ぶなら、ここぞ、という場所がある。
ズバリ、巣鴨のとげぬき地蔵の前だ。
年齢を問わなければ、女10に対して男1の比率で圧倒的に女が多い。
そして、ここからが本題だが、若い娘も間違って6時間に一度ぐらい通る。
その娘に向かって
「ねえ、いっしょにとげぬきしない?」
と声をかける。
事前にひとさし指に爪楊枝をぶっさしておいて
苦痛に顔をゆがめながら声をかけるのだ。
自ら退路を絶ち、捨て身の攻撃をかけることがナンパの極意だ。
浅草寺なら、ちょんまげをかぶって「人力車に乗らない?」とやる。
つまり、その場所の名物をうまく利用することがポイントだ。
しかし、最低限の準備が必要である。それは、洗車セットだ。
洗車セットを小脇に抱え、六本木に行ってみたまえ。
ランボやフェラーリが所狭しと道端に落ちている。
その中で適当な一台を選びタイヤを磨き始めよう。
これは、スパイや探偵が実践している高度な張り込み術の応用だ。
そして、道行く娘に声をかけるのだ。
もちろん「いっしょに車を磨きませんか?」だ。
万一、車の持ち主が現れても、アベックが自分の車を必死に磨く姿を見て
怒ろうはずがない。
それどころか、あわよくば、映画「男たちの挽歌」のように
一万円札を数枚投げてくれるだろう。
娘はびっくりするだろうが、それもご愛嬌だ。
すかさず「あ、僕の車、こっちだった!」と言って平然と隣のスーパーカーを磨くのだ。
色が違っても「僕、色盲だから」と言えばOKだ。
あとは、車を磨き終わったら目の前にあるカラオケ館で休憩して
押し倒すだけだ。
「僕の部屋から東京タワーが見えるよ、
いっしょにワインでも飲まない?」
という殺し文句にめっぽう弱い。
つまり、東京タワーさえ見えればどこでもいい、ということだ。
部屋に東京タワーのポスターを貼ってあってもいい
ワインは赤玉ワインだろうが料理用だろうが飲めればいい。
部屋に入ればこっちのものだ。とにかく、東京タワーを強調することだ。
この応用として、「ぼくはクラブのDJをやってるよ」というのがある。
スタイルはボーイズラッシュに載っているもので十分だから超安上がりに済む。
間違っても本当の職業を明かさないことがナンパの秘訣だ。
つまり、人気のツボを常に押さえたメタモーファシス(変身)を
心がければ年をとってもモテモテでいられるのだ。