●更新日 01/31●


報ステが毒ギョーザ問題を中国擁護の視点で報道


現在、世間を賑わせている中国産「毒ギョーザ」問題。この件についての、テレビ朝日系「報道ステーション」の放映内容が、あまりにも中国寄りの視点であるとして話題になっている。

毒ギョーザ問題の発端は、中国産の冷凍ギョーザを食べた兵庫県と千葉県の人々に食中毒症状が確認されたことだった。問題のギョーザを調べてみると、殺虫剤に使われる「メタミドホス」という薬物が検出されたという。当該の製品は、中国・河北省の業者「天洋食品」が製造し、ジェイティフーズらが輸入販売していたものだった。

この件について、同日の報道ステーションは「中国製ギョーザで女児重体 11人が中毒・・・「薬物」検出」と題して報じた。一連の「中国寄り」発言とは、一体どのようなものなのか。探偵ファイルでは、放映内容の中から関連する箇所を、一字一句忠実に文字に起こしてみた。

事件の経緯と問題点を指摘した上で、キャスターの古舘伊知郎氏が解説の加藤千洋氏に言う。

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古舘「これ、中国側は大変な痛手ですね

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加藤「そうですね、これから真相究明がね、なされなければいけないと思うんですけれども、曖昧にすると、これ、中国が不利ですよね、跳ね返りますよね。だから日本と中国は協力して、迅速に真相究明をして、判ったらその再発防止策をとる、と。これが肝心ですよね」

この点について、ネット上では「なぜ古舘は何よりもまず中国を気遣うのか」との声が多々見られる。また、加藤氏に対しても、「日本での被害者が続出したことや、それに対する当該企業の責任の問題を軽視して、「中国の国益」を中心に語っているのではないか」との批判が少なくない。

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古館「確かにレベル以上の混入があったわけですから、残留農薬というよりは、工場内で殺虫剤として使って、それが付着したということも考えられるわけですしね」
加藤「そうですね。誤って入っちゃったのか、これはあまり考えたくないですけれども、ある種の意図を持った人間がですね、わざと混入したという可能性もね、今の段階では否定されないわけですから、このへんは本当にどうなのかということを、まずは突き止めなければいけないですよね」

上記のやり取りについても、「問題の原因」や「責任の所在」といった論点との関連で、数多くの批判が提起されている。事実確認が行なわれている途中の段階で、報道番組が憶測で、しかも特定の視点からあれこれ論じることの問題は、これまでにも様々な機会に指摘されてきた。

最後の部分で古舘氏は、日本での被害や生産者側の責任の問題を再び棚に上げて、今度は日本の消費社会の批判へと強引に論点を変更する。

古舘「つまり便利さを追求していく中で、当然のようにしている、使っている、食べている製品が、こういうことが起きてくると、やっぱり今まで浮かれた生活をしていた部分がなかったのかというようなことも考えなけりゃいけないと思うんですね」
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テレ朝は、かつての所沢ダイオキシン問題では、風評被害が出るまでに過剰に生産者を批判し、その責任を追及した。今回の事件との「温度差」は一体何なのか、と問わずにはいられない



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