●更新日 03/06●


漫画家を自殺に追い込んだ?アンチブログが炎上で閉鎖


漫画家の依代智行氏が死去したとの情報が流れ、ファンに大きな衝撃を与えた。自殺ではないかとの推測がネット上ではなされており、依代氏を定期的に批判していたブログが炎上した。

依代氏が「彼と彼女の境界線」を連載していた「月刊ComicREX」最新号に、「訃報 依代智行先生が急逝されました」との告知が掲載された。「1月号から連載をスタートされたばかりであり、本来であれば3月号に掲載される予定でした第3回も下書きを執筆途中での突然の逝去でした」と書かれているが、死因についての具体的な言及はない。
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ただし、依代氏は精神的に不安定な状態であることをmixiで告白していたことが確認されている。依代氏は上記連載の第1回の掲載に当たって、2007年12月8日に「年末進行とネガティブな思考と」と題して更新した。「僕は知名度も無いし、全然人気が出ないんじゃないか、この連載うまくいかないんじゃないか、とか。ずっと根を詰めてるせいか、ネガティヴな考えばかり頭をよぎって心が痛い」と述べている。また、コメント欄には「有体に言って心身ともに(不安で特に精神面が)変調をきたしそうな勢いです・・・」とある。

依代氏死去の告知に衝撃を受けたファンの間で話題になったのは、同氏に対して批判的な言動を繰り返していた、同人誌活動を展開する人物のブログだ。「jiamariのたわたわ日記2008-ガーネットの物語はどうした?-」と題されたブログで、依代氏を自殺に追い込んだ一因ではないかとの推測がなされた。すると、コメント欄に書き込みが殺到し、ブログは直ちに閉鎖された模様だ。

ブログの「書き手のプロフィール」という項目を見ると、「年齢:そこそこおやじ。もう若くない。 職業:派遣社員・・・半分にーとかよ」とある。依代氏が連載していたREXが定期購読誌であるとのことで、「嫌いなもの:メジャーなまんが 大嫌いなもの:れっくすに連載され始めた彼と彼女の境界線」と依代氏の作品を名指しで批判している。

ブログの内容を見てみると、例えば2008年1月16日の更新「で、実践しました」では、大嫌いな依代氏の連載を打ち切りにするための具体的な手法が記されている。「はがき出しました」と題して、「もちろん、例の作品につまらない*2か月分(例の作品=彼と彼女の境界線) ネガティブキャンペーンはもちろん連載打ち切りまで続ける予定。毎月はがきは出すよ」と記している。しかも、「プレゼント要らないので、住所とかはあまり書きませんでした。こういう3流出版社の場合、どこから個人情報が漏れるか分かりませんから」と、出版社に対する揶揄も見られる。

2月10日の更新「REXの彼と彼女の境界線はこのまま打ち切りを熱望します」では、激しい罵倒を展開した。「れっくす早読みをしなかった理由」と題して、「彼と彼女の境界線」の休載を喜んでいる。早読みをしなかった理由は「彼と彼女の境界線が都合休載になっていたから」であり、「なんだか、ざまーみろという感じ。このまま連載無期限中断の上中止になってくれたらOK」という。
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また、漫画賞の受賞作品と依代氏の作品を比較して批判している。「そっか、彼と彼女の境界線は、いちじんしゃの漫画賞に応募したら、選外ってことだな」、「賞を取った人と、それ以上に賞を取れなかった人にまったく失礼だ」、「いきなり都合休載かよ、えらそうにすんのもいい加減にしろよって感じ。まったく持って舐めてますよね。あんた何様だ?????」などとある。

ブログのコンセプトを説明した文章には、「なお、愚痴は個人が勝手に言っているだけなので、本気にしないように」とある。依代氏死去の原因の一つがこのブログの記述や行動にあるかどうかはともかく、この注意書きは果たして免罪符になるだろうか。「個人が勝手に言っているだけ」、「本気にしないように」というのは、自身の発言に責任を持たないという逃げの姿勢にしか見えない。

好みは人それぞれであり、他人の作品を批評するのも自由だ。とはいえ、私怨に近い叩きを繰り返す人物の作品を読みたいと思う読者がどれほどいるのかということは、大いに疑問である。



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