●更新日 09/04●


中村哲のタリバン擁護発言記事を毎日新聞が隠蔽?


タリバンを擁護する発言が掲載された記事を毎日新聞が削除し、別の記事に差し替えていたことが発覚した。

毎日新聞は2008年8月28日、「アフガン拉致殺害:中村医師が遺体検分 悲しみこらえ」と題する記事を掲載した。アフガニスタンで拉致され殺害された伊藤和也氏が所属していた非政府組織「ペシャワール会」現地代表である、医師の中村哲氏へのインタビュー内容が、記事には掲載されていた。

反政府武装勢力・タリバンの報道官であるという人物が犯行を認めたことについて、中村氏は「拉致グループはタリバンではない。タリバンがこんなことをするはずがない」と述べている。中村氏の定義によると、タリバンとは「マドラサ(イスラム神学校)でちゃんと教育を受けた、礼儀と道理を身につけた者」。つまり、一連のテロ行為等に及んでいるのは「本当のタリバンではない」とのことだ。

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その後、この記事が削除され、別の記事に差し替えられていたことが判明。「アフガン拉致殺害:中村医師「ご両親に申し訳ない」」という題名で、上記の中村氏のコメントも全て削除されていた。だが、掲載画像の「「タリバンではない。」そう語ったペシャワール会の中村哲代表」という一文は変更されていないため、記事内容に無関係であるかのような説明になっている。

また、遺体検分についての記述も変化した。最初の記事では、「医師として、悲しみをこらえ、伊藤さんの遺体を検分した結果を語った」と、中村氏が遺体検分を行なったかのように読める。ところが、差し替えられた記事には「中村代表は、この日カブール大で行われた遺体の検視結果をもとに」、「中村代表が聞いた検視結果によると」とあり、中村氏はその場に立ち会っていなかったようだ。

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最初の記事は8月28日の21時36分の掲載で、最終更新が同日21時43分となっていた。差し替えられた記事には、「最終更新 8月29日 1時59分」と記されている。新聞社では、最終版の発行までに掲載情報を更新し、修正することは珍しくない。だが、今回は全く別の記事になっていたこともあり、「物議を醸しそうな中村氏のコメントを記事に残したくなかったのではないか」と推測する意見が、ネット上には多く見られる。

毎日新聞は先日、「変態ニュース」騒動の英語版サイトの再出発を宣言したばかりだ。その矢先にまたもや読者から疑いをかけられ、短期間での信頼回復は難しそうだ。



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