●更新日 09/23●


日本ユニセフ協会推薦映画「闇の子供たち」に疑問続出


公開中の映画「闇の子供たち」に疑問点が続出している。
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マスコミ各紙でも報じられたように、同作品は9月23日から開催のバンコク映画祭での上映が中止となった。タイ国内での無許可での撮影、タイの実態とかけ離れた内容であること等を、主催者側が問題視したためであるという。

映画に協力した大阪大学医学部の福嶌教偉氏は日経ビジネスオンラインのインタビューで、この作品はフィクションであると明言する。タイで日本人が心臓移植を受けた例はないという。また、親が他人の子供を殺してまで我が子に心臓移植を受けさせたいという心理描写は、医療現場の実態とは異なると述べている。

登場人物のセリフについて、「僕としては、ちがう言い方をしてほしかったなぁというのはあります。すくなくとも、僕が目にしてきたお母さんたちは、違っていましたから」と同氏は語る。更に、心臓移植の場面に関しても、作品中に出てくるようなビジネスとして成立するものではなく、タイの医療の実態にも合致しないと指摘している。

ところが、この作品はこれまで各サイトにて、「幼児の人身売買、売春というショッキングな真実を描いたノンフィクション映画」と宣伝されてきた。その影響もあったためか、ネット上に書き込まれた映画の感想には、ノンフィクションであることを前提としたものが少なくない。このような状況に対して、虚偽の宣伝ではないかという批判が続出した。

この作品は、日本ユニセフ協会の推薦映画でもある。同協会HPでは、映画の内容について「世界各地で実際に起っている「現実」を映し出しています」と紹介。一方、同協会北海道支部のHPの紹介文は、「ドキュメンタリーではありませんが、内容的にはドキュメンタリーと同じで、誇張でも何でもありません」という微妙な表現になっている。

8月7日の記事で扱ったように、同協会は毎日新聞の変態記事問題との関連で批判の対象となっていた。同協会とユニセフ(国際連合児童基金)は別組織であるという点が、曖昧にされているのではないかというのだ。この問題については、最近ではBPO(放送倫理・番組向上機構)にも視聴者から苦情が寄せられ、HPに意見が掲載されている。

なお、「アニープラネット」によると、映画で「江口が演じている新聞記者の社内は毎日新聞で撮影されている」とのことで、またもや毎日新聞と日本ユニセフ協会が揃って話題になってしまった。



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