●更新日 09/25●


映画「闇の子供たち」、監督の会見内容にも疑問あり


9月23日の記事で扱った、映画「闇の子供たち」の続報をお届けする。

バンコク映画祭での上映中止に伴い、阪本順治監督が24日に現地で記者会見を行ない、無許可撮影であるというタイ当局の指摘を否定した。同日の毎日新聞には「タイ日共同制作という形を取っている」、朝日新聞には「労働ビザを取り、日タイ共同制作として手続きを踏んで撮影した」との監督のコメントがある。

写真

この度の問題についてJ-CASTは24日に記事を掲載したが、不正確な点がいくつもある。例えば、無許可撮影について映画のPR担当者が上記の監督のコメントと同じことを述べているが、タイ当局の言う「無許可撮影」は別の事態を指しているはずだ。「シネマトゥデイ」に掲載された、出演者の江口洋介の発言を引用しよう。

「撮影中、物ごいや売春というびっくりするようなシーンは本当にいっぱいありましたね。こっちは普通に撮影しているんだけど、その近くに警官やマフィアがいるんです。3テイクぐらい撮影しているとバレてしまうので、いくらカメラが遠くから狙っていたとしても、「ちょっと危ないからもう逃げよう」とかね(笑)。」

監督が「無許可撮影」説に反論する際にも、共同制作や手続きについてばかり主張し、ゲリラ撮影に関して一切語らなかったのはなぜだろうか。また、「シネマトピックスオンライン」には「むろん撮影は現地の警察の全面協力のもと」行なわれたとあるが、これも江口の発言に矛盾する。

「動画サイト「ギャオ」では、「ノンフィクション映画」と、エキサイトのサイトなどでは、「ショッキングな真実」などとの解説もある」とJ-CASTは記したが、これも不正確だ。「エキサイト」や「レッツエンジョイ東京」等の各サイトでも、元々は「ノンフィクション映画」と記されていたが、この件が騒がれる中で記述内容が変更された。

写真

映画について扱った新聞記事にも、紛らわしい表現が多数存在する。9月15日の日刊スポーツには「タイを舞台に幼児売買春、臓器売買の実態を描いた映画」という記述がある。先述の「シネマトゥデイ」も「誰もが目を背けたくなるような臓器売買や幼児売買春などの恐るべき真実」と記している。

そもそも監督自身が、8月6日の毎日新聞で「臓器売買のくだりは、極端な仮説を立てて描いています」と述べていた。「フィクション」ではなく「極端な仮説」であるという点が、この発言のミソだろうか。



探偵ファイル



◇上記のタグを自分のサイトに張ってリンクしよう!


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事