●更新日 10/04●


山岡発言 識者の見解


民主党の山岡賢次氏によるテレビ番組での発言が話題になっている。
山岡氏曰く、中山前国交相と麻生総理の言動は、『いつか来た道』に日本を向かわせる恐れがあるというのだ。秋葉原で彼らが支持されていることについて中山氏は、『戦前のドイツや日本にあった現象への回帰』であると表現。これに対して、発言内容や表現の妥当性に多くの疑問が提起されることとなった。

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山岡氏の発言がネット上で話題になっている件に関して、彼の事務所に電話取材をすると、

「私はネットを見ないので分かりませんが、当該の発言が問題ではないかという意見が、事務所に一般の人々から寄せられていることは事実です」と述べ、今後の対応については「山岡氏が何らかの見解を新たに表明する予定はありません」とのこと。

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この騒動について、某社会学者に話を訊いてみた。
「考えに賛成するかどうかは別として、状況認識が古いというのが率直なところですね。『いつか来た道』という言葉は、戦前や戦中の状況と昨今のナショナリズムを同一視して、物事を単純化しているのではないかということです。現在叫ばれている「愛国」や「国益」というものの多くは、90年代以降に加速したグローバリゼーションの中から出てきたものです。流動化した秩序の再編成の過程で構成されたものであるという意味で、単に「昔に戻る」ものではありません。むしろ、戦前や戦中の古い秩序をそのまま再構築することなど今や不可能でしょう。コミュニケーションの質も大きく変わり、情報の増大と多義化が進む中で、人々と国家との関係も変容しています。そういう状況認識を共有した上で、ナショナリズムについて論じるべきでしょう。『いつか来た道』という「分かりやすい」一言で済ますべきではないと思います。」

分かりやすい言葉は、人々を魅了する。
だが、それによって見失われるものもあるということを忘れてはならないだろう。



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