●更新日 12/11●


集団万引き事件の北海道栄高校、その主張に異議あり


先月に大きな話題になった、北海道栄高校の生徒らによる修学旅行での集団万引き事件。2008年11月29日のスパイ日記では、同校への取材結果を報告した。 (事件の概略については、ニュースウォッチ記事12を参照。)

同校では、当サイトの取材に対し、ネット上に出回っている噂を全て否定した。ところが、記事を読んだ同校の卒業生や地元関係者らから、学校側の主張は正しくないという情報が編集部に寄せられた。情報提供者諸氏への取材結果を、以下に記す。

同校卒業生A氏によると、2006年にも万引き事件が発生していたという。場所は、ハリウッドの免税店。その店は棚によって生じた死角が多く、万引きしやすい場所だったのではないかとA氏は指摘する。犯行に及んだのは当時の野球部員だったが、万引きが行なわれたことを同校の教員たちは知らないまま現在に至っているのではないかという。一方、当時の生徒たちの間では、野球部員らの万引きについて話題になっていたそうだ。

高校HPより

これまでにも地元で万引きが横行し、その被害も膨大なものであると、ネット上で噂されていた。この点について同校は否定したが、生徒らの万引きが発覚して学校に通報されることは以前からよくあると、A氏は述べる。そのような状況が日常化しているのだろうか、警察に通報されることなく学校からの厳重注意にとどまるということが珍しくないようだ。そうした場合、停学期間は1週間程度と短いという。

また、万引きの上手なやり方について、後輩への助言が先輩からなされていた可能性が高いと、A氏は述べる。直接的な助言がなされなくても、自身の万引き行為を周囲に自慢する生徒が多いため、情報が容易に拡散しやすいとのことだ。地元出身者B氏からも、同校生徒らによる万引きは少なくとも30年前から行なわれてきたとの情報提供があった。当時から万引きや暴力行為が多く、他校の生徒らに恐れられていたという。

柔道部顧問の教員が、事件の揉み消しを図ったとの噂もあった。この点について、当該の教員を知るという地元関係者C氏に尋ねたが、その真偽は確認できなかった。C氏曰く、この教員が柔道部員を日頃から優遇しているのは事実だという。一方、前出のA氏は、この教員について「勤務態度を見ても、教師の資質に欠けていると思います」という。体育の授業中に、生徒を放っておいて自家用車の中でテレビを観る、教員室で漫画を読みながら寝るといった行為を繰り返しているとのこと。

屋内練習場 柔道部 高校HPより

情報提供者の大半が、同校の万引きは一種の「伝統」のようなものであると述べ、今に始まったことではないと明言している。学校側の主張とのあまりのギャップに驚かされるばかりだが、日常の中で同校の生徒らとの接点のある人々が、ほぼ同様の指摘をしていることは興味深い。このまま風化させてしまってはならない事件である。



高橋



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