●更新日 02/19●


ブログで誹謗中傷を繰り返して逮捕された男(後編)


前回に続き、ブログでの誹謗中傷を繰り返して逮捕された人物について記す。

鈴木克彦容疑者が立ち上げたブログや2ちゃんねるでの誹謗中傷がもたらした影響は、非常に大きなものとなった。容疑者が解雇され批判の対象としていた企業では、各種の風評による多大な損失を被ったようだ。




ブログ等をそのまま放置しておくわけにもいかないと考え、企業は削除の依頼を専門業者に依頼した。その際に、膨大な時間と労力、そして金額を費やしてきた模様だ。しかも、容疑者が批判の対象としていた当時の代表取締役が、弁護士費用に多大な額を当てていたことも、企業にとって痛手となったようである。

容疑者による誹謗中傷が活発化した一因は、当該の企業の元関係者が、自身のブログで容疑者に反論を提起し、論争を続けていたことであるとされている。この人物のブログを見ると、容疑者に定期的に脅迫された、容疑者は謝罪したはずなのに問題行為を繰り返しているなどといったことが、詳述されている。




また、容疑者が当時の代表取締役や関係者らを批判する目的で、証拠の捏造を行なっていたとの指摘もある。「ネットで名誉棄損」という2000年の新聞記事とされるものが、繰り返し2ちゃんねる等にコピーされていた。そこに出ていたのは、容疑者に反論していた人物らの名前だった。ネット上の掲示板で各種個人情報や顔写真を公開し中傷して、名誉毀損の疑いで逮捕されたという内容だ。

ところが、その記事は捏造されたものだった。容疑者に反論するに当たって、この人物は容疑者が捏造に流用した元記事を探し出し、画像としてブログに掲載した。それを見ると、名誉毀損の疑いで逮捕されていたのは、33歳の鈴木容疑者だった。容疑者は、ある会社員の個人情報を、自身が運営する掲示板に書き込み、誹謗中傷を繰り返していたという。

容疑者は、論争相手の人物との和解契約書についてブログで扱った際にも、捏造行為に及んだ。「380万円の示談金を払うので、刑事・民事を含めて全てを無かったことにしてほしいという内容でした」と、契約書の内容を説明した。ところが、掲載されている契約書の画像を拡大してみると、支払い義務があるとされているのは容疑者の方だった。




中傷することは簡単だろうが、その被害はとてつもなく大きい。今回の事件の風評被害は、なお続くかもしれない。容疑者が逮捕に至ったことは、せめてもの救いだろうか。



探偵T



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