●更新日 06/25●


ドラゴンゲートがサル虐待問題で回避している論点


プロレス団体「ドラゴンゲート」による「コラ」というサルの虐待問題について、マスコミによる本格的な報道が始まった。 (関連記事 1 2 3 4)

2009年6月24日、この件を新聞各紙が一斉に報じた。一部の選手が虐待を認める証言をしたと、朝日新聞は書いている。しかし、ドラゴンゲートはHPでこれに反論。そのような事実はないことを警察にも確認済みだという。この点について、朝日新聞からの再反論はあるのだろうか。



この機会に、これまでの記事の論点を改めて明確にしたい。「虐待はあったか、なかったのか」というドラゴンゲートが採用している単純な図式は、この問題の本質を見失わせるものだ (詳細は、こちら)。

ブログに掲載されていた各種の画像について、その経緯やコラの負傷をドラゴンゲートは説明していない。この点を、当サイトでは特に問題視してきた。

ドラゴンゲートは虐待の詳細を引き続き確認中とのことだが、当サイトが記事にするよりも前から神戸市が既に調査し、人々が各方面に問い合わせていた。それにもかかわらず、未だに団体側で確認が取れないというのは実に不可解だ。しかも、画像についての説明を回避し続けているかのようである。

先日、多摩動物公園のニホンザル飼育担当者に取材した。状況を説明したところ、鎖につながれて一頭で飼育されているサルが流血するなどということは、通常の飼育環境であれば考えにくいという。また、普通に飼育されているサルに対して、言うことを聞かない場合に宙吊りにして首を絞めるなどあり得ないとのことだった。



そもそも、ドラゴンゲートにとって、コラの「虐待」とは何を意味するのか。つまり、何をもって「虐待」と見なすのか、どの範囲までを「虐待」に含めるのかという点が不明だ。それ次第で、結論も変わってくる。少なくとも現状では、削除されたブログの内容等を主に問題視しているようだ。ブログを書いた選手の謹慎処分からも、それが伺える。

だが、「ブログに書かれた文章の内容が事実でなかった」と仮に判明したとしても、それは「虐待がなかった」ということにはならない。これによって幕引きがなされないよう、注視する必要がある。

画像で記録されているコラの苦しむ様子や負傷が、
選手らによるものではないと完全に立証されない限りは、
虐待の疑いは晴れないはずだ。




高橋



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