●更新日 06/30●
ドラゴンゲートのサル入手経路を不問の福島県に疑問
サル虐待問題のプロレス団体「ドラゴンゲート」の疑惑について、その後の調査で明らかになった事柄を公表する。 (関連記事 1 2 3 4 5)
「コラ」というサルの移送及び譲渡では正式な手続きを踏んだから問題はないと、ドラゴンゲートは主張する。そこで、手続き先を調べたところ、福島県県北保健所であると判明。同所の担当者に取材した。
すると、担当者はドラゴンゲートの虐待問題や
鳥獣保護法違反疑惑等を、一切知らなかったという。
さらに、手続きの際に入手経路等は確認しなかったと述べた。法的に見て正当な手続きであれば、それ以上は問わないそうだ。
つまり、手続きが正確であれば、たとえ違法に入手された可能性がある動物であっても、保健所は一切関知しないというわけだ。
そして、虐待問題や入手経路の疑惑について、
保健所では今後も調べる予定は全くないと、担当者は断言した。
おい、本気か?
もう一つ指摘したいことがある。コラが飼育されるようになったのは鳥獣保護法が制定される前だから、問題はないという意見がある。だが、それは誤りだ。同法の正式名称は、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」。「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」の改正によって、平成14年に成立した。つまり、同法成立以前のコラを入手した時期も、法的規制の対象下にあった。
神戸市内のペットショップでコラを購入したと、CIMAは主張する。その真偽については、今回は問わない。だが、「当時は猿自体を購入、飼育することに問題はなかった」という主張は、完全な嘘だ。「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」第13条によると、駆除や学術研究といった法的に正当な理由で捕獲された個体でも、無許可で愛玩動物として飼育・譲渡することはできない。
しかも、愛玩を目的にニホンザルの飼育許可を出した例は過去に一件もないことを、神戸農林水産振興事務所を通じて確認済みである。神戸市内のペットショップ事情に詳しい人物にも確認したところ、猿回し等を目的に飼育されるサルでも、正式な手続きを経て野生の個体を捕獲することで入手するそうだ。ペットショップが人工繁殖したものを販売した可能性は、皆無に等しいという。
事務所の外観は、ドラゴンゲートに黄信号が点滅していることを象徴するかのようだ。
高橋
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