●更新日 12/13●


人々が殺到で大混雑!表参道の実態をヒルズ店員に取材


イルミネーションが復活し、話題を呼んでいる表参道。

その美しい光景を一目見ようと、連日の大混雑である。夕方に現地を訪れたが、歩道は人で埋め尽くされ、眺めの良い場所は前に進むのも困難なほど。記念撮影をするカップルや親子、会社帰りの人々が、至る所に見られた。真上からの最高の風景が撮影できるはずの歩道橋は閉鎖され、使用できなくなっていた。現地には警察も出動し、一か所に立ち止まらないように人々に呼びかけていた。





このように混雑が続くことによる経済的な効果は、どの程度得られるのだろうか。個々の店舗によって状況は異なると思われるが、今回は表参道ヒルズに入っているいくつかのショップに買い物客を装って入店し、昨今の事情について聞いてみた。得られた情報の中で特に興味深かったのは、ヒルズがオープンした当初から勤務しているという店員から聞いた話である。

店員曰く、この度の大混雑による経済的な効果には、あまり期待していなとのこと。その理由は、イルミネーションを目的に来る人々の多くは、同店や近隣のショップでの購入を目的にしているとは思えないということだった。ヒルズ内部もクリスマスの装いとなっていたが、マスコミ等で話題になって人々が押し寄せるとしても、それが必ずしも消費にはつながらないというのが実態のようだ。



この店員が言うには、表参道界隈を訪れる客層は、昔とずいぶん変わってしまったのではないかとのこと。そのきっかけは、原宿にユニクロの系列店やH&Mといった、ヒルズや周辺のブティックと比べて低価格路線のショップが進出してきたことだった。それらのショップの袋を提げた客を、ヒルズ内でも最近は特によく見かけるようになったという。

今回の大混雑と同様の傾向は、ヒルズがオープンした時期にも観察できたそうだ。ヒルズが注目を集め、大勢の人々が観光目的でやって来た。しかし、周辺のマクドナルドや安価なカフェは利用客が入りきれないほどの混雑だったにもかかわらず、ヒルズ内の飲食店は並ばなくても入れる程度だったという。

ヒルズ内のショップは、必ずしも高級店ばかりではないようだ。しかし、全般的に見ると、イルミネーションの集客力の割に、それが売り上げにつながらないという実感が、店員にはあるのかもしれない。高級ブティックが立ち並ぶ以前の表参道は、静寂な街だったという。不況が続く現在、この街はどのような方向を目指すのだろうか。



探偵T



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