●更新日 12/17●


吉本芸人「A4二枚の卒論で立命館大学を卒業」は本当?


吉本興業系のお笑いコンビ「田畑藤本」の経歴が、ネット上で大きな反響を呼んだ。

田畑藤本は、「高学歴のコンビ」であることを自ら売りにしていることで知られる。藤本淳史は東京大学工学部を卒業し、同大大学院にも合格したにもかかわらず進学しなかったという経歴の持ち主だ。田畑祐一は、立命館大学経営学部を卒業、海外にも留学してTOEIC810点の成績を持つという。





このたび話題になったのは、Wikipediaの田畑藤本に関するページだった。そのページに、田畑の経歴として「卒論テーマ:「大学生活を振り返って」 A4、2ページ」と記されていたことが、注目を集めた理由だ。普通では考えにくい内容とページ数であるとのことで、驚いた人々も多かったようだ。また、当該の記述は本当なのか、ネタなのではないかといった憶測まで飛び交った。





そこで、その真偽を確かめるために、立命館大学経営学部に問い合わせてみた。事務の担当者によると、同学部では、卒論は卒業に必須な条件にはなっていないという。そのため、ごく短く、卒論の通常のテーマとはかけ離れたものが実際に提出されていたとしても、履修上は問題にならないとのこと。卒論の可否は、各々の学生が所属するゼミの教員が決定するのであり、必修ではないため、ゼミへの所属の有無も自由だという。

経営学部HPを見ると、卒論は「専門演習」というクラスの最後に仕上げて提出するもののようで、2単位となっている。「3回生〜4回生の2年間の履修をふまえて、4回生終了時に一括して8単位を要卒単位に算入します。F評価がある場合など、8単位が揃わない場合は、専門演習の単位は随意科目として扱われます(要卒単位には入りません)」との説明がある。田畑の場合は、どんな結果となったのだろうか。





卒論について、コミュニケーション論を研究する社会学者に聞いてみた。同氏によると、研究課題を証明する数学などの卒論ならともかく、文系でこの短さは、本当であれば非常に珍しいのではないかという。近年は、卒論の提出を義務付けない大学が増えているそうだ。必修ではない卒論ゼミを履修し、未完成のまま卒論を提出しないで単位を落とす学生も意外といるとのことで、大学の教育形態にも次第に変化が出てきている模様。

「卒論を書かなければ卒業できない」という状況からの解放は、学生にとって、どのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。



探偵T



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