●更新日 01/26●


たばこ訴訟が棄却! 原告に直撃インタビュー





「たばこのせいで肺がんになった」
と、横浜の元喫煙者が国を相手に訴訟を起こした判決が2010年1月20日に出た。この裁判は2005年1月19日から始まったのだが、結論から言うと棄却。

判決文には”たばこは肺がんの原因になる。肺気腫のリスクを高める”ということを、原告らが喫煙中であった昭和22年〜平成5年の間、たばこ会社は真剣に理解していた状況ではなかったと記されていた。

そのことに対して、原告のひとりである高橋是良さん(67歳)は、
「知っててやってたわけじゃないって逃げを打っているんだ。
ある程度知ってたけど、あの人たちは真剣に理解していなかった?
昭和22年〜平成5年までの間はタバコ会社も国も理解していなかったなんてことがあるのか!
翌年からは知ってたのか!? ずっと吸ってたら良かったのか!?」

と怒りをあらわにした。

高橋是良さん宅にて


高橋さんは20歳からたばこを吸い続け、多い時は1日80本〜120本は吸っていたヘビースモーカー。
しかし40歳になったある日、医師から肺がんだと診断されたのだ。診断時に医師に肺を見られ「汚い」とつぶやかれたことにショックを受け、ぴたっと辞めたという。
5年生存率は3〜7割と告げられたが、手術し奇跡的に転移もなく現在は健康に生活している。
その後今から5年前の60歳の頃、友人に誘われ「たばこ病をなくす横浜裁判」に参加。
その時はすでに副流煙も嫌うほどになっていたそうだ。

高橋さん自身も最初は自業自得という気持ちは大なり小なりあったと話す。
しかし、
「麻薬とかだと女性の場合、ヤ○ザなどから無理矢理注射を打たれてそこから中毒になったというケースもあるわけじゃないですか。それは自己責任とは言わないですよね。
まぁ、大麻とか自分から好んだ場合は違いますけど。
たばこの場合は自分が悪いのではなくて、日本の場合は国がたばこを売ってるんですよ。
そのきっかけは昔、政費調達のために徴兵制でひかれた人たちに恩賜のたばこだと配っていたんです。するとその人たちは、天皇陛下がくださったたばこを吸ってるんだと喜んで吸うんです。
戦争から日本に帰ってきたときにはニコチン中毒ですよ」

と熱弁を振るった。

今回棄却された判決に対しても不満があるようだ。
「このたばこに関する裁判は日本では2番目なんですよ。前に東京でも他の人が裁判をされているんです。そのとき東京で原告に判決を下した裁判官3人が私達の裁判官でした。
しかも通常の移動時期ではない時にその3人だけが横浜に移動してきたんです。
偶然にしては出来すぎている。たばこに好き嫌いがある人でも異常だと感じるでしょう?」


控訴をするのか尋ねるとこう答えた。
「このまま引き下がるわけにはいかない!
慎重に十分細部に至るまで検討して相手側が何を企んでいるのか、相手を崩すにはどうすればいいのか。1月25日に判決文の検討と、今後をどうするかを弁護士と原告者達で話し合う予定です」



街の喫煙者にこの裁判について聞いてみたところ、10人中10人とも自分なら裁判は起こさないと言っていた。訴訟を起こした人は大した物だと評価はする。だが、国も悪いと思うけど最後は自己責任。
依存性もあるけれど辞めた人もいるのだから意思の問題だという意見が多かった。





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