●更新日 02/09●


篠沢秀夫教授の障害給付申請を新宿区が拒否した背景


TBS系「クイズダービー」への出演などで知られる学習院大学名誉教授の篠沢秀夫氏が、障害者自立支援法に基づく給付の申請を東京都新宿区から認められないという騒動があった。

2010年2月3日の毎日新聞によると、篠沢氏は難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)となり介護負担が大きいため、給付の対象となる可能性があった。ところが、新宿区では2009年10月以降、65歳以上の障害者から新規の申請があった場合にはそれを認めないよう、内規が作られていたという。そのため、篠沢氏が相談しても断られてしまったようだ。



本来であれば、相談内容に対して調査を行ない、給付の有無が検討されるべきだったため、区の対応が問題視されることに。中山弘子新宿区長は不適切であったことを認め、内規に基づく対応を改めるよう指示を出したという。この問題について、新宿区福祉部障害者福祉課に話を聞いた。



篠沢氏の妻である礼子氏は、「障害者が増え、税金で賄いきれない」と区の職員に言われたと毎日新聞の記事で述べ、「まるで障害になるのが悪いようだった」と憤っている。職員の発言の妥当性の問題とは別に、実際に同区では障害者の人数に変化が見られるのだろうか。担当者によると、各種の障害者手帳の申請者数は増えてきているそうだ。

平成21年4月1日現在で、身体障害者手帳は9942件、愛の手帳(療育手帳)は1160件、精神障害者保健手帳は1520件。平成17年には、身体障害者手帳は9138件、愛の手帳は999件、精神障害者保健手帳は814件だった。増加の背景には、どのような変化があると考えられるだろうか。

担当者曰く、身体障害者手帳については、高齢化の問題があると推測できるとのこと。つまり、高齢になってから手帳を取得するというケースの増加である。精神障害者保健手帳に関しては、近年このような問題で医療機関に行きやすくなったという状況の変化があるのではないかと推測しているという。若い人々の間で鬱が増えているとされることも、関連している可能性があると述べる。



ちなみに、これまでに当該の内規が他の相談者に対しても用いられていたかということについては、記録との照合によって現在調査中であるという。また、区の他の部署でも同様の内規の存在やそれに関連する問題があったかどうかという点も、全庁で調査することになっていて、現時点で詳細は不明とのことである。




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