●更新日 02/18●


「小沢一郎氏に恫喝された」と哲学者の梅原猛氏が暴露


哲学者の梅原猛氏が、民主党の小沢一郎氏から恫喝を受けたことがあると暴露した。

梅原氏は2010年2月15日の東京新聞の連載「思うままに」で、小沢氏との過去の関係について触れた。かつて梅原氏は、長良川河口堰の建設中止を小沢氏に陳情に行ったという。その時のことを、「小沢一郎と宮沢賢治」という題で、16〜7年前に同欄で以下のように記したことがあるそうだ。

「小沢氏との会談を終えた帰りに私の口を出た言葉は、「アンファン・テリブル(恐るべき子供)」という言葉であった。たしかに小沢氏は恐るべき政治家であった。人間がいかにして権力を獲得し、それを保持することができるかということについて、小沢氏ほど精通した政治家はおそらくあるまい」。


すると、間もなく小沢氏から手紙が届いた。「そこには、国立の研究所の長たるものがこのような特定の政治家を批判するエッセーを書くとはまことにけしからんが、この件について話し合いたいから東京に来てほしいという趣旨のことが書かれていた」。梅原氏曰く、「言葉遣いは丁寧であったが、それは恫喝と懐柔の言葉であることは間違いなかった」。

しかし、「私は生来のへそ曲がりで、このような権力を笠に着た態度には徹底的に抵抗したくなるという性をもっている。小沢氏とは全面戦争になってもかまわないと思い、会いにもいかず、返事も出さなかった」という。宮沢賢治の「生きとし生けるものを救うためには自分の命をも捧げるという慈悲の心」を剛腕の小沢氏に学んでほしいと、梅原氏は以前から主張してきたそうだ。


この記事を生命倫理の研究者に見せたところ、「梅原さんと小沢さんは、ある意味ではそっくりです」という。その理由とは、梅原氏が「慈悲の心」を東洋の文明の特徴として挙げていることだ。キリスト教を背景とする「怒りの文明、力の文明」である西洋とは反対に、東洋は「安らぎの文明、慈悲の文明」であると、梅原氏は主張したことがある。すると、あまりにも乱暴で無根拠だという批判が、研究者たちから続出したという。

しかし、この主張は多くの人々を魅了した。朝日新聞編集局顧問(当時)の辰濃和男氏は梅原氏の見解に共感して、同紙の1面で1992年5月29日に紹介したほどである。一方、キリスト教は「非常に排他的で独善的」であり、西洋の文明は行き詰っていると、小沢氏は主張した。この認識は、梅原氏の持論に案外近いのかもしれない。






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