●更新日 04/01●


「ザ・コーヴ」を語る大橋巨泉、イルカ漁の廃絶を提案


外国人参政権の推進を説いて話題になった大橋巨泉氏が、またもや注目すべき持論を展開している。

週刊現代2010年4月3日号の連載「今週の遺言」で、イルカ漁を隠し撮りした映画「ザ・コーヴ」に大橋氏は言及した。日本で今もイルカ漁が存続しているとは知らなかったので、愕然としたという。大橋氏は、自他共に認める動物好きである。そのため、かつて伊豆のイルカ漁の現場は見ない方がよいと忠告されたこともあるそうだ。

イルカ漁という伝統が衰退した背景には、その方法が残酷であるということを否定的に評価した、日本国民の民意があるという。これは、FNNのインタビューに対して、ルイ・シホヨス監督が「たとえ食文化であっても、悪いものは消えなくては」と発言したことに酷似しているようにも見える。



大橋氏はコラムの末尾で、イルカ漁の廃絶を訴える。ただし、それに至る過程が重要であると考えるそうだ。日本はゼノフォビア(外国人嫌悪)であると同時に、外圧に弱いことが特徴であると、大橋氏は指摘する。そして、日本は外圧によってではなく、自主的にイルカ漁をやめるべきであるという。

ここで、ゼノフォビアという言葉が、なぜ唐突に出てくるのか。その点について、コミュニケーション論を研究する社会学者に話を聞いた。同氏によると、この言葉は、おそらく大橋氏も一員である「進歩派」の立場の人々が重視するものだという。彼らが日本社会を論じる際に、「人間の安全保障」、「多文化共生」等と並んで使用されてきたキーワードであるとのこと。



一般的に安全保障は、軍事を中心とした国家単位の問題である。それを強化することは、国家の安全を脅かす危険な存在と見なされた移民たちを不安に陥れ、かえって人々の間での相互の不信感を増長させるという。そのような人々を排除するのではなく、「国民」として扱われない不法滞在者らと共存する社会を作ることを、彼らは提唱する。大橋氏が外国人参政権問題で櫻井よしこ氏を批判した背景には、このような発想があると考えられる。



しかし、大橋氏の主張に整合性はあるのか。参政権を外国人に認めないことは、彼らの存在の否定を意味すると、大橋氏は非難する。一方、イルカ漁の衰退は国民の民意であったと述べ、漁業関係者らへの配慮は皆無だ。結局、大橋氏の見解に一致するものは民意を理由に肯定し、一致しないものは弱者の権利を掲げて否定するということではないか。



探偵T



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