
●更新日 04/06●
ゆとり教育「主犯」寺脇研が小学生の学習量増加を称賛
新たに採用される小学校の教科書のページ数が急増し、ゆとり教育からの脱却が実現したと報じられた。ゆとり教育の旗振り役となった寺脇研氏は、これに批判的な人々から膨大な批判を浴びてきた。日本の教育を崩壊させ、学力を低下させた主犯であるというのだ。
2007年には、東京大学教授の姜尚中氏を中心に、在日韓国・朝鮮人のためのコリア国際学園の設立が話題になり、ここでも寺脇氏が注目を集めた。同校がエリート教育を推進すると報じられ、役員に名を連ねた寺脇氏を疑問視する声が相次いだ。寺脇氏が日本人にゆとり教育を推進したことと同校の教育方針は、根本的に矛盾するのではないかとの指摘だ。
そんな寺脇氏が、今回の学習量増加について、2010年3月31日の東京新聞で見解を述べている。「記述が丁寧だし実験も増えている。ゆとり教育が完成した、というのが率直な感想だ」という。「教科書の厚みで判断するのは発想が貧しい」と批判し、現場の裁量に任せて教材や実験を充実させることが大事だと論じた。

実体験や多角的な視点の重要性を強調する寺脇氏だが、今回の検定結果に苦言を呈する場面も。「教育基本法を意識し「伝統文化」が盛りだくさんで、逆に文化嫌いをつくらないか。文化は学校で教科書を読んで教えるものじゃなく触れるもの、体験するものだ」という。
記事には法政大学教授の左巻健男氏のコメントもあり、ゆとり教育は失敗だったと明言している。「「内容は減っても、丁寧に確実に身に付けさせる。主体的に学ぶ子をつくる」はずが、最低の内容しか学ばない子と、最低の内容しか教えない教師が増えて、簡単な内容だけ覚えればいいという態度が生まれた」と指摘する。
さらに、「三十年間の大きな社会実験をして、やっぱり駄目だった。世界の中で日本の教育はスカスカになってしまった」と述べる。一方、揚げ足取りのような検定内容や、少人数の調査官の個人的な見解に左右されていると思われる部分が目立つ点は、気がかりだとのこと。教科書会社が委縮して、自主規制する事態は避けるべきだという。


当サイトでは以前、プロの家庭教師に取材したことがある。その時に話題に出たのは、「ゆとり教育世代の子供たちの多くは、読み書きの基本的な能力そのものが決定的に足りない」ということだった。そのため、発展学習をさせても身につかないという。今回の改革は、こうした状況の改善につながるだろうか。
探偵T
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