|
私はその夜、いきなり悪寒に襲われ39度の熱を出した。
ムチウチの後遺症だと自分に言い聞かせながら、早くこの調査を断らなければと思った。そしてベッドからはいだし奥さんに電話を入れた。
「もしもし、奥さまはいらっしゃいますか?」
「‥‥はい、すこしお待ちください」(若い男性の声、周りに人がたくさんいる)
「もしもし、どちらさまですか?」(依頼者と同じ年齢くらいの女性)
「あの、六本木の、渡邉と申しますが」
「A子は‥‥昨晩、他界しました。あの、A子とはどういうご関係ですか?」
自殺だ‥‥。私は思わず電話を切った。全身が総毛立った。
二人目の奥さんも自殺してしまった。彼は贈収賄でもうすぐ会社をクビになる。これから先、いったいどうなるのだろう。次は、愛人か。そしてその次は‥‥。
悪霊は廻り廻って、このページを読んでいるあなたのそばに来るかも知れない‥‥。
|
|
←
|
|
去る
|