なるほど、その話が本当だとすれば、人間様から恨まれる話も一つや二つくらいはあるだろう。
何かあると思った私の予感は、当たったわけだ。
今回の稲村が言っていた嫌がらせの件も、殺された野良猫の怨念なんてものではなく、稲村を嫌った第三者がやっているのではないだろうか。
だとすれば、同じアパート内の者からやられてもおかしくはない。昨夜の件も、同じアパートの住人から行われたものだとすれば合点がいくものだ。

いや、むしろ・・・稲村が虐待した動物で、人に飼われていたものがいたとしたら――

そう、この世で恐ろしいのは、死んだも動物の怨念などよりも生きている者。

プラットホームで・・という件なども、一概に被害妄想とは言えなくなってしまうのだから。

各種機材を車輌に詰め込み、再び稲村の家に向かった私だが、



―――この件は、実に唐突な幕切れとなる