●更新日 01/31●

何故、俺なんだ!


これは私の元に寄せられた、柿澤さん(21歳・男性)からのお話です。


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俺は深夜のコンビニでバイトをしていて、帰りはだいたい朝6時半。

夜勤の終わりなんて特に忙しいことはないから、この帰りの時間はだいたい固定されている。

その日も、いつも通り、朝食用の弁当として廃棄の弁当を店から拝借し、自分の住んでいるマンションに帰ってきた。

正面玄関から入ると俺の住んでる部屋までは時間がかかるので、裏口となる駐車場の出入り口からマンションに入る。

これもいつものこと。早朝、駐車場で誰とも会わないのもいつものことだ。

ただ一つ、この日だけはいつもと違うことが一つだけあった。

駐輪場に人が寝ている。別に路上で人が寝ているなんて取り立てて都会じゃ珍しい風景じゃない。

ただ、今は2月だ。幾ら何でも外で寝るには無謀過ぎる。おそらく泥酔したのだろうけど。


「おい、おっさん。こんな所で寝るなよ」


面倒臭いと思いながらも声を掛けてみると、何か違和感を感じた。

その違和感が何なのか気付くのに少々時間が掛かったが・・・その違和感とは、下で寝ている男性の下半身が考えられない方向に曲がっていたのだということ。

あお向けでもうつ伏せでもない。横に曲がっている・・・

この自分の前にいる寝潰れた男が、寝ているのではなく死んでいるということに気付くまでまた少し時間掛かった。

その後、警察を呼んで、事情を説明し、管理人にも事情を説明し・・・と長い時間が掛かってしまった。

警察の調書が終了し、マンションに戻ってきたのは、最初に死体を発見してから7時間は経っていようかという時間。

あー、今日はだるかったなぁと通路を歩いてエレベーターに乗ろうとすると、管理人が慌てて止めてきた。


俺「一体どうしたんですか?」

管理人「防犯ビデオに自殺した人が映ってたの!飛ぶところもどこから飛んだのかも解ったの!それでね・・・」


その後に管理人が言った言葉が、どんなに嘘であって欲しいと思ったことであろうか。

なんと、その自殺した男は俺の部屋の前の通路から飛んだとのことだった――――


俺も映像をその後に無理言って見せて貰ったが、間違いなかった。


しかし、何で。

何で俺の通路の前で飛んだ? いや、それはまだいい。

何で、発見したのも俺なんだ??


何で。何で。何で。何で。何で。


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理由は私には解りません。

ですが、物事の事象は全てどこからか繋がっている縁が織り成すことと先生が言っていました。

では、柿澤さんとこの死んだ男性を結ぶ縁は一体何だったのか???



それが解ったのは2日後。

警察の調べにより、その自殺した男性は柿澤さんの叔父さんに当たる人だったそう。

もちろん、柿澤さんは幼少の頃に会ったかどうかも定かでないと言っていて、その人の素性なんて全く解らない。また、死んだ人も柿澤さんが親戚かどうかなんて知らなかった可能性が強い。


しかし、こうした形で巡り会うこともある―――



西垣 葵 写真


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