●更新日 03/11●
秘祭の島 謎の人魚伝説を追う その1
“秘祭”と囁かれる謎のお祭が沖縄、先島諸島(八重山)のとある島に伝わっています。
沖縄本島から石垣島、さらに西表島へ渡り、その先に定期フェリーも無いというその島、P島に伝わる祭は、島民以外には一切公開されず、写真、録画、録音が許されないというお祭なのです。年に一度のその祭には島を出た島民たちも戻り、今もひっそりと受け継がれている祭なのだといいます。
明るい空、どこまでも青い海、そんな沖縄ブームの昨今、何やら怪しげな雰囲気のその秘密とされた祭、早速、私、沖縄へ行ってまいりました。
謎の秘祭の正体を探りに空路で東京→沖縄→石垣島へ
“秘祭”は現地で“豊年祭=プーリー”と呼ばれています。プーリー自体は例年祭として各地で行われていますが、その島のプーリーだけは開催日が不明となっていて、こうも呼ばれているのだといいます“アカマタクロマタ”と。
石垣島空港から港のある島中心地へタクシーで向かう際、運転手に訊いてみました。
「ええ? “プーリー”? P島!! あー! アカマター!? どうするのぉ? 行くぅ? 行けないよー。あの島の祭はカミンチュの祭だから島のもの以外無理だよー」
いきなりの洗礼、フェリー行き場でも同様。P島近海へのダイビングスポットへ出るチャーターやツアー便しかないので島に渡ることは無理とのこと…。
そこで一旦、役場、図書館へ向かい、ともかく島民、その関係者に出会えないか調べることに。
調査に役場へ、石垣島には八重山諸島の行政施設が集まる
図書館では面白い資料を見つけることが出来ました。
P島には人魚神社がありジュゴンを祀っています。琉球王朝時代にP島は唯一ジュゴン猟を許されていました。ジュゴンは洋の東西を問わず人魚のモチーフですが、ここでも同様に不老不死をもたらす人魚の肉として珍重されていたといいます。地元ではジュゴンを“ザンノイオ”と呼びました。ザンは津波を意味していて、津波を引き起こす怪魚としてもしられていました。
江戸時代の瓦版より、越中で捕れたとされる人魚の様子
また、P島のプーリーには異界からやって来るアカマタ、クロマタと呼ばれる仮面神が家々を回り再生と豊穣とをもたらすとされています(正式には子供のアカマタ、クロマタと合わせて4体)。
うーん、人魚神社、ジュゴン=ザンノイオ、津波を呼ぶ人魚、アカマタクロマタ異界の仮面神…。ますます、謎めいてきた…。
と、ここで先ほどのフェリー乗り場の観光案内ガイドからP島民が営む民宿が西表島にあるとの情報が…。
おお! 次回、いよいよ謎の島へ!!
続く。
木之下秀彦
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