3本の大木


FC 小倉


《3本の大木の噂》

北九州市八幡西区木屋瀬3丁目付近、県道73号線(直方水巻線)上に3本の大木(銀杏の木)がある。
この大木を伐採しようと試みた人には、 ことごとく不幸な事が起こると言われている。
大木の伐採を試みた人間が亡くなり、その家族全員も交通事故に遭い亡くなったなど、その不幸はその身内にまで及ぶと噂されている。






《現地調査》

地元住民や関係機関へ話を聞いたが、3本の大木を伐採しようと試みた人間は、地元住民でさえ知る人はいないようである。
また、これらの木々に切ろうとした痕跡も見当たらない。
大木の向かい側に、長年在住している推定60〜65歳のA氏も、そんな人間はいない、とのことだった。
(「 A 」 氏宅:八幡西区木屋瀬3丁目付近)






3本の大木付近に、大正6年まで「扇天満宮」があったため、これらの木々は"御神木"として現在に至るまで語り継がれている。

以前の「扇天満宮」は、真横を流れる 「遠賀川」の度重なる氾濫で幾度となく水浸しになっていた。そのため、同扇天満宮は現在の場所(八幡西区木屋瀬3丁目5-54)に移されたが(大正6年、石碑により確認)、3本の大木はそのまま残る形となった。



その後も、これらの木々は"御神木"として「天満宮様」「天神様」と呼ばれ、その木陰には、周辺住民が集まり、ゴザを敷いて団らんを楽しむなど、憩いの場になったようである。
3本の大木は、現在でも正月には「扇天満宮」によってしめ縄をされるほど大切にされている。
大木が残った道路( 現在の県道73号線:昭和58年4月1日 主地方道として認定 )は、交通量の増加に伴い、幾度かの拡張整備が実施された。その際、交通の妨げとなるこれらの木々を伐採しようとする計画があった。
「八幡西建設事務所」(八幡西区筒井町15−1、「八幡西区役所」内)管理課のB氏によると、伐採計画は地元住民の猛反対があり、断念せざるを得なかったとのことである。
交通量の激しくなった現在、大木には大型トラックによって刻まれた傷跡が見受けられる。





「扇天満宮」の関係者によると、境内の木(御神木)を切るときは御祓いする、根からではなく、枝を切る時でさえ同様である、とのことである。

今回の調査では、大木("御神木")にまつわる噂話を、直に体験した人物、また、その様な人物を知っている者の確認はできなかった。よって、この噂話が真実であるか、否かは判断しかねる。

今現在、行政機関に大木の伐採計画はない(平成13年10月1日現在)。御神木の祟りを恐れて、ではないだろうが……。