築別炭鉱
トラックの牽引する荷台部分が放置されているが荷物は残っておらず、辺りを調査するも特に目立ったものを発見するには至らなかった。 『病院跡』 煙突から先に進むと、2階建ての家屋が現れる、調査の結果「病院跡」と判明。 建物は所々崩れて半壊状態になっているが、玄関出入口付近は形を留めておりそこから中に入る。 玄関には、デッキシューズとロープが放置されている。 1階の奥は、とても損壊が激しく屋根が殆ど潰れている状態。 風が吹くと辺りの瓦礫が「がちゃ、がちゃ」と、音を鳴らす。 建物のなかほどには、2階に上がる階段がある。 2階に上がり各部屋を調査するも、部屋の中には家具など一切無い。 病院で使われる器具ばかりか、生活の跡を物語る物さえここには残されていない。 『消防署跡』 特に霊的な情報は聞かれなかったが、この消防署跡も現在建物は残っている。 『炭鉱住居跡』 4階建ての住宅団地が建ち並ぶ。ここでは食器を洗う音や、カレーの臭いを嗅いだといった現象が噂されている。 草木を掻き分け住宅団地の出入口に着く。 集合ポストに名前はなく、空っぽになっている。 階段を上がると、向かい合わせにドアがある。 中の間取りは6畳間と8畳間ほどの大きさの部屋、それに便所がある。 他の部屋の造りは全く同じであり、キッチンは何処にも見受けられない。 各部屋に家具や生活用品は無く、住人が立ち退く時すべて持ち出したと思われる。 部屋に唯一残されている物に古い空き缶、新聞がある。 「北海タイムス」昭和45年7月20日(月) 他の部屋にも昭和45年4月〜8月の新聞が見受けられる。 【 調査所見 】 30年前の閉山からタイムスリップをしたかのように時が止まり廃墟と化した 4棟の団地。誰も住んでいないゴーストタウンと化した状況が、とても異様である。 住居跡を調査中、噂にある人影、物音を聞くことはなく、カビや埃の臭い以外変わった臭いはしなかった。 羽幌町での聞き込みで「あそこは出る、あそこはヤバイ」と聞かれたが、実際に霊を目撃した人物を捜すも出会うことはなく、調査中にて心霊・怪奇現象に遭遇することはなかった。同所での霊的現象の有無について肯定も否定もできず、現時点では判断することは出来ない。 調査員が現地で感じた事は、巨大な跡地に誰もいない為、とても違和感があり、炭鉱住居跡の周辺を歩いていると、今にも人が現れるような錯覚を起してしまう。 それほど妙な雰囲気・違和感をもっている場所である。 この地で災害、事故、強制労働などにより亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。 |