姫路城・お菊井戸





あまりにも有名な、怪談「播州更屋敷」に登場する「お菊」が投げ込まれたという井戸。



姫路城内にある、直径2メートルはあろうかという大きな井戸である。



(観光客の安全のため、金網が張られている)

播州皿屋敷の怪談とは、
―――永正某年。
姫路城の城主・小寺則職の家老、青山鉄山が、お家のっとりを企てていました。しかし、この企みを、忠臣・衣笠元信の許嫁で、青山家の女中であった「お菊」が探知し、城主の難を救います。
しかし、そのような「お菊」の活躍も空しく、後に青山家のお家のっとりは成功。許嫁の元信は龍野に放逐されてしまいます。
しかし、「お菊」はその後も青山家に留まり、再起を期す許嫁に情報送っていたのですが、遂に、青山鉄山の家来・町坪弾四郎にばれてしまいます。
弾四郎は「お菊」にそのことを黙っている代わりに、自分との結婚を迫ります。けれど、「お菊」は頑としてそれを承知しません。
怒った弾四郎は、10枚一組だった家宝の皿の一枚を割ってしまい、その罪をお菊に着せて責め殺した上、井戸に投込んでしまいました。
それからというもの、この井戸の傍にお菊の亡霊が立ち、「1枚……2枚……」と皿を数える声が聞こえてくるようになりました。そして、その声は「8枚……9枚……ああ、悲しや、1枚足りぬ……」と物悲しい、恨みに満ちた泣き声になるのです。
その後、見事再起した許嫁・元信らによって青山一味は滅ぼされ、「お菊」の霊は市内の「十二所神社」の境内にまつられました―――
というもの。



しかし、一説にはこの井戸は有事の際、城内から脱出するための抜け穴になっているとの話もある。