県民の森






〈目撃情報〉
県民の森入口付近の同窟周辺での霊や、修行僧の格好をした霊、山肌を歩く白い影、動物等が写った心霊写真、駐車場付近に出没する霊等、これまでの中で一番目撃証言が多かったのがこの場所である。

〈同所周辺の詳細〉
同所は、仙台市、宮城県利府町にまたがる広大な山林で、ほぼ中央のアスレチック施設等を設置した宮城県の施設があることで有名であるが、同所北部には東北各地に祟敬者を持つ青麻(アオソ)神社、南部には鎌倉時代に源頼朝が陸奥国の留守職を伊澤氏に任じ、建立させた高森城(岩切城)跡があることでも知られる歴史ある地区である。途中の林道には、夜間自動車でのドリフト走行を楽しむ若者も多く、またデートスポットとしても有名である。昭和58年4月27日の二日間にわたる大規模な山火事(3000ヘクタール以上の山林が焼失)も、宮城県民には記憶に新しいところである。

〈調査結果〉
同所近隣での聞き込みの結果、やはり情報通りの証言が得られた。様々な証言が飛び交う中、それぞれにほぼ共通している事は「夜間、山肌や道端に人の影が見える」というものであるが、同所はアスレチックコースを利用する家族連れ、山歩きを楽しむ老夫婦、観光客や青麻神社の参拝客、デートのカップルや前述のドリフト族、何箇所かの沼での釣り客等、老若男女が訪れるという、特異な環境にある山林であるということが言える。ドリフト族にとっては山歩きの老人は奇怪な行動に解釈され、また、夕刻に道端に寄り添うカップルも、また別の立場の人間から見れば、特異な行動に見えるであろう。これらの要因が、山火事で焼死した動物、山中での自殺者、山歩きの老人、高森城の古武士、山中に無数に散在する防空壕跡等が、無数に存在する怨霊話に結び付いたのではないかというのが、当方の推測である。また、青麻神社周辺では、仁寿二年(西暦852年)より、同神社の名前の由来にもなっている麻の栽培が盛んに行われていたらしく、この焼煙吸引による幻覚が、伝説となって作用していることも無関係とは言い難いところである。当方の張り込みによる結果では、駐車場に駐車中のカップルの車内を覗き見する者が山中を逃亡する姿を捉えており、駐車場での目撃証言が群を抜いているのはこのためではないかと思われる。

写真:青麻神社


写真:防空壕跡


写真:目撃証言の多かった洞窟


写真:駐車場に出没するのぞき魔


この後、こちらの気配に気づき、山の中へ走り去って行った