沖縄県恩納村 「万座毛」



断崖絶壁には『自殺の名所』と言われてるところが多い。沖縄の観光名所である万座毛もその1つである。

万座毛の『毛』とは芝原の意で、尚敬王が「万人が座るに足る」と称賛したことからこの名がついたと言われる。

琉球石灰岩の海岸断崖と芝生におおわれた広場から形成されている沖縄特有の海岸景観で、芝生広場の南側には、鼻を下げた象の頭に似た断崖が望見できる。



沖縄大戦中に一般市民が米軍から逃れるためにさまよって岬へ追い詰められ、集団で投身自殺をした場所でもあるという。

現在、ダイビングをする人の間で、「海中に防空頭巾をかぶった人々の列が行進していくのが見えた」という話が広まっている。

それ以来、同所では自殺者が後を絶たない。約1ヶ月前にも観光客が一人で来て、お土産物屋の店員に笑顔で『思い出話』を話した数分後、投身自殺を図り帰らぬ人となった。



現地の人は観光で生活している為か、みな口が堅く、悲しい歴史を話す人もいない。現地の交番でも話を聞くが、やはり同様で口を堅く閉ざす。



そんな中でお土産屋の店員が証言してくれた。

「万座毛の断崖絶壁に立っていると、海の中に引き込まれそうな感覚に陥る」「夜になるとここら辺は真っ暗闇になり何も見えなくなるため、足を踏み外して亡くなった方もいる」と。

また、真夜中に車で同所に来た2人の男性が、同所に到着した途端に涙が溢れて止まらなくなり、怖くなって急いでその場を去ったらしい。



沖縄大戦の際に同所より身を投げた数多くの一般市民の霊が、同所を訪れた人を海の中から呼ぶのかもしれない。



琉歌が悲しく聞こえてくるのは何故なのだろうか。