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廃墟と化した病院の前に立つと、それだけで背筋に異様な寒気を覚えた。
荒れ果てて、寒々とした霊気を漂わせているこの建物は、かつて精神病院として開業された物であった。周囲の住民の反対運動を押し切って開業したこの病院では、頻繁に死者が出る事から怪しげな治療が行われていたのではないかとの噂が絶えなかった。動物実験の様に扱われて死を迎えた者もいたようだ。
閉鎖された後に、興味本位で廃墟に忍び込み向精神薬を持ち帰り、使用量を誤り精神病院送りになったという男性がいた。また、ある男性が散乱したカルテを持ち帰ったところ、真夜中に電話がかかってきて「私のカルテを返して下さい。もし返してくれないなら取りに行きます・・」と電話がかかってきたともいう。
現在ではドアや窓は鉄板で塞がれ、警備員が常駐しており建物内に侵入は出来なくなっている・・。
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