人面電柱


FC 関西


【 噂 話 】

噂の場所は東大阪の二号線と十号線が交差する所から東へ約500m程進んだ所にある「スズキ自販近畿東大阪営業所」の向かいにある電柱(横断歩道の側)でこの電柱を見ると、女性の顔が浮かびあがっているらしい。
かつてこの場所で交通事故により亡くなった女性の影が染みついているらしい。
この女性が電柱から現れるらしい。


【 現地調査 】

現地の状況としては、県道15線上にあるため、交通量が多く、よくある心霊スポットにありがちな人気の無い場所とはいえない。
問題の女性の顔であるが、これはかなりはっきりと確認できた。ロングヘアーの色白な女性で、ツリ目が印象的である。写真を見てもらえれば分かると思うが、睨んでいるともとれるその眼差しは、現世に対する恨みのようなものを感じさせる。


クリックすると拡大画像が見られます。

電柱にある女性の顔を映像に収め、周辺住民の聞き込み調査による事実確認を行う。
聞き込みの結果、かなりの周辺住民がこのスポットを知っていた事から、近所では有名な場所であると推測される。
1〜2年ほど前から電柱の側で写真を撮る高校生などが目撃されており、現在においても週末になると電柱を見に来る人がいるらしい。
ただ、女性の顔がいつ頃から電柱に現れたのか、知っている人はおらず、正確な情報を得ることは出来なかった。
他にも得られた情報としては、

「雨が降ると、濡れた女性の顔が隠れてしまうが、乾くと再び浮かんでくる。」

「誰がおいたかは不明だが、電柱の下に花束が置かれていたことがある。」

といったものであった。
花束が置かれていたのは事故があったためであろうと思い、さらに聞き込みをするが、電柱の見える場所で長く勤務している人から聞けば、

「この場所で事故は見た事が無い。」

との事だった。
また、周辺住民の多くは心霊現象が起こるとは思っておらず、噂を耳にしてやってくる人が逆に、「また誰か見に来てるよ。」などと話のネタにしているのではないかとの事であった。


【 所 見 】

今回の調査で得られた情報によりいくつか疑問に思った点がある。

一般的に心霊スポットといえば、廃墟であるとか使われなくなった建物などだが、今回の場所は、県道沿いでもあり結構な交通量があるという事。

この場所で事故を見たという人はいないのに、花束が置かれていたことがあるという事。
電柱から女性が出てくるという噂があるが、目撃した人がいないという事。

憶測の域を出ないが、花束は誰かの悪戯であると思われる。
おそらく、花束を見た何も知らない人が、ここで事故があったと勘違いをし、噂となって広まったのではないか。
そしてさらに、雨により女性が現れるという心霊現象に発展したのではないだろうか。
「 幽霊の正体見たり枯れ尾花 」という表現がされるように、思い込むと何でも人の顔に見えてくる事はよくある話である。
今回は偶然にも、問題の電柱に貼ってあった看板ないし、ポスターがはがれたあとの糊のようなものが、雨風にさらされて、誰からもはっきりと女性の顔に見えるようなシミになったのであろう。