マルイ病院


FC 関西


「マルイ病院」は大阪府内でも有名な心霊スポットの一つであり、建物が円形状に造られている事から「マルイ病院」と呼称されている。「マルイ病院」に関する噂は下の通りである。

「この病院で手術をしたら絶対に死ぬ」
「廃院後、廊下を歩く看護婦の幽霊を目撃した」
「手術室のライトが急に点灯し、「手術中」のランプが点灯する」
「散乱しているカルテを持ち帰ると、『カルテを返してください・・・』と電話がかかってくる」
「病院内に侵入して何かを忘れて帰ると、『取りに来てください・・・』と電話がかかってくる。

はたしてこれらの噂は本当なのだろうか?



大阪府泉南市の府道63号線「樽井北」交差点付近に於いて円筒の形をした廃墟がある。これが「マルイ病院」である。建物敷地周回には高さ1m程のフェンスが設置されいるが、数ヶ所破壊されており、簡単に侵入する事が出来た。敷地内には雑草が生い茂っており、管理されずに放置されている状況である。「立ち入り禁止」等の立て札は一切立てられていない。
建物内には割れたガラスが辺り一面に散らばっており、埃のせいか極度に空気が淀んでいる。
気味の悪いことに受付前のアナログ時計は、4時44分で止まっていた。



 

2階に上ると中央部に円形状のナースステーションがあり、3階には共同病室、個室病室、洗面所、便所、厨房、配膳室がある。
共同病室は他の部屋に比べ、それほど荒らされておらず、パイプ椅子・長椅子・サマーベットが整頓されて配置されている。何者かが故意に配置させたものと見受けられる。



 潜入調査の結果、病院内に散乱していたカルテ、領収書、封筒等の書類関係から、病院の正式名称、院長の氏名も突き止めることができた。
また、カルテより当時入院していた人物を割り出し、本人に話を聞く事が出来た。この人物は31年前に交通事故で入院しており、当時28歳だった男性である。

「大分昔の事なのであまり覚えていないが、当時はまだ出来たばかりで新しく、良い先生がいた。患者の数とか従業員の数は 判らない。(心霊の噂については)それは知らないが付近で痴漢とひったくりの事件があったのは知っている。」

とのこと。

これで「この病院で手術をしたら絶対に死ぬ」というのは、ただの噂に過ぎないことが分かった。
「カルテを持ち帰ると電話が掛かって来る」といった現象は、他の心霊スポットになっている病院でも全く同じ様な噂が流れ ており、実際にカルテを持ち帰ってみたが、何も起こらなかった。
「手術中のランプが点灯する」に於いては「手術中」のランプそのものが存在しない。
「忘れ物をすると電話が掛かる」についても検証したが、やはり何も起こらなかった。

全ての調査結果を統合すると、閉鎖された時期は昭和57年前後で、昭和57年に当時院長であった人物が死去している。これが廃院の一番の原因であったものと思われる。
この病院は救急指定でもあり、実際に死亡した人物もいるとい う事実も判明したが、医療ミス等の事件性は無く、近所でも当時の評判は良いものであった。
心霊スポットとなりうる過去の事件性、事故、医療ミス等の因果関係は無い。
廃墟病院であるがため、その不気味さ等から噂が噂を呼び、噂だけが一人歩きをしたものであろうと思われる。