ホテル「祇園」


FC 琵琶湖


 比叡山延暦寺の住職に聞いたところ、大津市の木ノ岡町にあったホテルの周辺に心霊現象の噂が有ると言われた。悪い霊気が流れているのかその周辺の店舗の経営はうまくいかず経営者が次々と変わる、といういわくつきの土地柄であるとの事。



早速、我々ははやる気持ちを抑え、調査に出向いた。
 琵琶湖畔、野ざらし23年の幽霊ビルは92年5月の爆破解体により今や跡形もなくなっていた。
 その斜め向かいに位置する所にマニアだけが知るというホテル「祇園」が草むらの中に今や廃墟となって、あった。
 ホテルの4つの扉のうち1つだけ進入可能な扉があり、その1室に心霊、怪奇現象が現れるといわれている。
「恐怖の扉」のある廃墟ホテル「祇園」は草が一面に繁っており、前日に降った雨のせいか地面はぬかるんでいた。
 何年も放置されている為か、外観はひどく汚れ、いたんでおり、屋内駐車場の天井の間からはコンクリートの塊が見えた。
 平屋建て1棟4戸のうち1戸の扉の鍵だけが空いていた。
 この「洋室6号」が噂の「恐怖の扉」のある部屋と判断、2個の懐中電灯をつけながら室内に入る。
 浴室のタイルは、所々剥がれ落ちカビが生えていて、悪臭が漂う。
 ベッドルームに入ると首の周りが妙に熱くなってきた。
 逆に足は震え胃袋から腰にかけて悪寒が走った。
 天井づけミラーに煙のような白煙が見えた。
ホテル外観 恐怖の扉