箱根峠の廃屋 |
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2. 地域の確認 『箱根峠の廃屋』を確認 静岡県三島市から国道1号線を東京方面に走行すると、箱根峠の手前直線後の右カーブに「接待茶屋」バス停があり、『箱根峠の廃屋』はその奥に建っている。 その青いトタン屋根が印象的な平屋建ての建物。 入り口には錆びた鎖と錠が掛かっていて、外見上は人が住んでいる様な雰囲気はない。 以上の内容の『心霊スポット』を検証し、事実の特定をした結果を以下の通り報告する。 3.調査結果 青いトタン屋根の廃屋が目の前にある。 付近にはバス停以外に何も無い場所で、寂れた雰囲気が漂う場所だ。 如何にも、といった感じの建物で、背筋が少し寒く感じる。 ここに住んでいた家族に、一体に何が起こったのか・・・ 同地に流れる噂は果たして本当なのか、付近の住人に聞き込みを行い、その事実を特定する。 聞き込みの結果 同地から少し下った場所に「山中新田(静岡県三島市)」と言う集落がある。人影も疎らな土地だが、地元の人間なら何かしらの情報を知っているであろう。 が、しかし、誰も『惨殺事件』の事は知らないとの答えが返って来た。 この地域の住人は箱根で勤務し生活をしている人が多い様子であり、『箱根峠の廃屋』について何も知らないのも不思議である。 建物の感じからはそれほど昔の話とも思えないのだが。 聞き込みの範囲を広げ、情報を集めた結果、意外な事実が判明した。 それは・・・ 「青いトタン屋根の家は、引越しをして現在空き家になっているだけで、(過去に)別になにも(事件など)無かった。」 との話だった・・・。 だが、しかし、 「青い屋根の家を更に上ると、一軒だけ民家があった。2〜3年前に取り壊されたが、そこ(民家)にはずっと人が住んでいなかった場所で、そこで昔(何らかの)事件があったと聞いた事がある」 『箱根峠の廃屋』は「青いトタン屋根」の上にあった様だ。 既に取り壊されていたのは残念だが、早速確認に向かう。 「青いトタン屋根」の廃屋から少し上った左側にその跡地はあった。 わずかにガードレールに隙間があり、狭い舗装路が6m程続き、途中で途切れている。 確かにここには民家が建っていた形跡があり、その土台が確認出来る。「青いトタン屋根」の廃屋よりもはるかに気味の悪い場所である。 この家でいったい何が起きたのか、この辺りで一番古くから生活していると教えて貰った家に聞き込みに向かう。 そのお宅には90歳を過ぎた老婆が生活しており、昔に起きた出来事を色々と語り始めてくれた。 その聞き込みの結果は・・・ 『箱根峠の廃屋』で過去に起こった出来事 「いまから40年以上前に(静岡県三島市)玉沢にあった飲み屋で客が料金を踏み倒して逃げた事があった。 その中年男性客を追いかけて来た女給が山中で殺害された。 男はその後「青いトタン屋根」の下にあった農家で老人男性を人質に取り、刃物で傷を負わせて更に逃亡した。 最後はそこ『箱根峠の廃屋』に逃げ込んだが、翌朝には逮捕された」 というのが真相のようで、『箱根峠の廃屋』の住人はその時どうなったのかを訊ねた所、 「犯人は酔いが醒めると観念した様で、大人しく捕まった。その時に家族が怪我した話なんて聞かなかった」 ・・・どうやら『箱根峠の廃屋』の住人に被害は無かった様だ。 『ゴルフ場のキャディー』も『鉈で惨殺』も全く事実とは関係が無く、根も葉もない噂話であった。 『箱根峠の廃屋』に関する他の噂に関しても全く根拠が無くなる為、ただの噂話で事実では無いと判断する。 4.所見 本調査の重要な判明事項 『箱根峠の廃屋』に関する噂は根も葉もない噂話であり、『一家惨殺』等の事実は全く無かった。 同地付近で事故が多いのも上記建物とは全く関係が無く、上りの直線で速度を出し過ぎ、同地右カーブを曲がりきれずに突っ込んでしまう為だと思われる(下りもきついカーブの為、速度が速いと曲がりきれない)。 同峠での死亡事故は確かに多いが、全てが『心霊』に関係している訳では無いだろう。 日頃から安全運転を心掛けたいものである。 事実を知った後で『箱根峠の廃屋』や『民家の跡地』を見に行くと、ただの汚い跡地にしか見えなかった。 人間というものは、気持ち(先入観)一つで物事の受け止め方がかなり変わるものだと痛感した。 真実を明らかにしてみると、意外にこんなものなのかも知れない・・・。 |