東京は千代田区大手町。周囲を丸の内のオフィスビルに囲まれた一角に場違いな緑の空間がある。帝都物語でおなじみの平将門が奉られた首塚である。
天慶3年(940年)3月14日、朝廷の討伐軍との大激戦の末にわずか38歳で討ち死にした将門。その首は京都に送られ、三条河原にさらされたという。
ところがその3日後、将門の首は白光を放って空へ舞い上がり、武蔵野国豊島郡柴崎村に落下したという言い伝えがある。
明治時代には大蔵省の敷地だった。大蔵省の移転とともに首塚も撤去されそうになったが、時の勝田蔵相の夢枕に血みどろの武士が現れた。
その武士は凄まじい形相で
「首を動かすな」
と迫ったという。その後、勝田氏は原因不明の病で死亡した。
首塚周辺では鉄骨が倒壊したりと事故が続出し、結局現在の地に丁重に奉られることとなった。今でも、首塚に面した周辺のビルの窓は閉ざされている。
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