小峰峠



宮崎勤の起こした連続少女誘拐殺傷事件を知らない人はいないだろう。

現地では少女が行方不明になった頃から不思議な幽霊話が持ち上がっていた。その幽霊にはいなくなった少女の面影があったという。

幽霊は子供が行方不明になった後に現れ始めた。遺体が発見される前のことだ。

被害者である少女が発見された各地(飯能市、宮沢湖霊園など)でも50人以上が、何かを訴えかけるように舞う人魂を見たと証言している。また道端では手首から先を無くして泣いている少女に呼び止められたと語る運転手もいた。事件発覚前ということを考えれば不可思議としか言いようがない。

この話を積極的に取り上げていたのが皮肉にも「秋川新聞」だった。宮崎の父親が発行していた新聞である。

息子が非道な犯罪で逮捕され間もなく、多摩川の橋から身投げして死んだ。鬼畜となったわが子を見ていることに耐えられなくなっての最期だった。宮崎の逮捕後、幽霊も現れなくなったと言われている。

残虐に殺害され、小さな体をバラバラにされ火に焼かれた少女たちの魂が、少しでも慰められていればと祈るのみである。