体をずらしてミラ−に映った後部座席を覗き込むと、なんと若い女の顔が見えたんです!!
 苦しそうに、ハァハァと息をしてる。あの顔・・・・・。今も、思い出すだけでゾッとします。失神するくらい驚いたけど、かなりスピ−ドが出ていたので、彼を動揺させないよう「止まって・・・・・」とだけ言いました。
「またか、なんだよ」と、見返しましたが、私と同じく気配を感じたのでしょう。視線を後部座席に移しました。
「ギャ−ッ!」
 彼は急ブレ―キを踏むと、車から転がり出ました。でも私はドアを開ける力を失い、シ−トから動けなくなったんです。
 するとその女は、ス−ッと運転席に移ってきました。