助教授が殺害したのは、女子大学院生。不倫の恋を清算するためだった。彼は、
死体を八王子の山林に埋めたが、その後、妻と二人の子供を道連れに、
伊豆石廊崎から身を投げ一家心中をしている。その現場には、次のような遺言があった。
「大変迷惑をかけますが、親子四人、この下の縁で投身自殺をしておりますので、
お届け下さい」
 当時のマスコミは、このセンセーショナルな事件をこぞって取り上げたようだ。
記事の中には、被害者の女子大学院生の顔写真が載っているものもある。
事件が明るみにでたときの新聞と、半年後、死体が発見されたときの新聞は
まったく同じ遺影を使っているが、よく見ると何かが違っている。