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全身の激痛で歩行が困難に、病気になって実感した日常生活に潜む「不自由」

元気な時には、ごく当たり前にしか思っていない「日常生活」。駅や街での移動に関しても、それほど「不自由」と感じることはないかもしれない。しかし、病気になるなどして状況が変わると、それまでの認識が一変することがあるようだ。従来は全く気にとめていなかったことが、切実な問題になり得るのだ。

当サイトでは先月に、「住みたい街ランキング常連の自由が丘、高齢者や障害者には『不自由』だった?」と題する記事を配信した。自由が丘の駅構内や周辺には、高齢者や障害者の移動が困難である場所が多いとのことで、その実情を調べた。このたび、上記の記事を読んだ人物から、自身の体験に基づく情報が寄せられた。

情報提供者は、1年ほど前にリウマチが発症した。リウマチによる痛みを全身に感じるようになってから、外出が困難になった。例えば、道路が斜めになっていると、関節が痛くて歩くのがつらい。病気になるまでは、自分の歩いている道路が「斜めになっている」ということなど、日常生活で気にすることもなかった。

 

 

「点字ブロックは特に怖くて、上に乗ると足首が斜めになり、痛くて動けなくなることもあります」。点字ブロックが2列並んでいると、それらを乗り越えて進むことが本当に大変だという。場所によっては点字ブロックが至る所にあり、自分が進みたい方向へ歩いていく時に点字ブロックを避けることが難しい場合もある。

 

 

 

歩行が困難になってから、ヘルプマークを身につけることにした。ところが、当時の在住地域では役所に行かなければヘルプマークを配布してもらえず、その道のりが大変だった。普段はヘルプマークをバッグに着けているのだが、指が痛い時には、自力での取り付けや取り外しがほぼ不可能になってしまう。

 

 

リウマチは完治に至らず、ずっと病気と付き合っていくことになる。日常生活では、多くの薬を服用しなければならない。「メトトレキサート」という薬を週に1回飲むのだが、副作用も強いので、これを飲むためには他にも多くの薬を服用する必要がある。副作用の一例が貧血であり、少し歩いただけで息切れしてしまうこともあった。

 

 

薬代や検査料に加えて、合併症で具合が悪くなると、さらに治療費がかかる。難病でもなく障害者でもないので、補助金が出ることもない。一方、痛くて動けなかったり、数日間は寝込んでしまったりすることもあり、働くことができない。そのようなわけで、日常生活の多くの場面で家族のサポートが必要になった。

また、リウマチは症状が様々であり、人によって経験する困難も異なる。つまり、他人との比較ということが容易ではなく、支援のあり方を一般論としては語れない。今回書いたことは、あくまでも情報提供者自身の症状や、日常生活での困難だ。一律に対応すれば問題が解決するわけではないという点に、難しさがある。

点字ブロックやヘルプマークが普及すれば、自動的に「不自由」が解消されて、より便利な世の中になるというわけではない。病気の当事者でなければ気づきにくい困難に関しては、世間の反応も鈍くなりがちだ。実態を多くの人々に知っていただくことで、現状が少しずつでも改善されていくことを願い、本記事を配信した。

 

高橋 

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