区立保育園の民営化計画にトラブル続出!保護者間の対立で退園者も出る事態に


東京都荒川区の区立東日暮里保育園では、2019年春の民営化に向けた準備が進んでいる。その過程で様々なトラブルが続出し、大変な事態になっているとの情報が寄せられた。荒川区では、区立保育園の一部を段階的に民営化していく方針だ。東日暮里保育園の民営化計画については、保護者を対象とした説明会が2016年から行われてきた。

 

 

保護者たちからは、民営化に関する不安の声が上がっていた。それに対する区の回答の概要は、以下の通り。「Q:保育士が大きく入れ替わると、保育の質が低下しないか? A:ベテラン、中堅、新人をバランスよく配置する」、「Q:引き継ぎ対応は大丈夫か? A:2018年の1年間をかけて、ていねいな引き継ぎ作業を行う」。

その後、区、事業者、保護者から成る「三者協議会」が設立され、意見交換が図られることになった。話し合いが進むうちに、民営化への賛否をめぐって、保護者間での意見の対立が目立つようになっていった。賛成派は、築50年の施設の老朽化を挙げ、空調設備等の改善も含めて、民営化に伴って新しい園舎になることを望んだ。

反対派は、各種サービスの質が民営化後も適切に維持されるのかという点を中心に、疑念を抱いた。そして、予定されていた通りには計画が進まなかったことが、不信感を強めることとなった。当初の計画では、10月から保育士、看護士、栄養士ら関係職員が一通り配置されることになっていたが、実現しなかったのだ。

9月の時点で配布された資料に記載されている職員の配置人数が、昨年末に作成された公募要綱とは異なることも、「約束が守られていない」という批判を招いた。それに加え、資料では「1名以上配置予定」、「複数名配置予定」といった曖昧な表現が用いられている点を問題視する声も上がった。

 

 

 

 

このように錯綜した状況で、保護者たちの関係も悪化していった。その最たるものが、父母会の会長の周辺で発生したトラブルだ。5月の三者協議会での事業者側からの説明は十分に納得のいくものではなかったと判断した会長は、そのことを保護者たちに周知しようと考えた。ところが、この点について副会長と見解が一致せず、対立する事態に。

これ以降、保護者の一部が会長に対して露骨な無視をしたり、冷たい態度をとったりするようになった。さらに、各家庭や保護者グループにて、子供たちの前で会長の悪口を言う保護者も相次いだ模様だ。「会長のせいで保育園がめちゃくちゃになったって」、「もう○○(会長の子供)とは遊ばないね」、こんな言葉が子供たちから聞かれたという。

こうして、会長の子供は次第に孤立。保育園への相談もなされたが、「園内ではいじめは確認できない」という回答にとどまった。やがて、会長は辞任を申し出たが、その挨拶が簡潔なメールだったことで、かえって反感を招く結果となった。会長の自宅だけでなく勤務先にまで抗議の連絡が行く事態となり、会長は子供を退園させることを決意した。

 

 

情報提供者は言う、「民営化の話が出るまでは『誰よりも園を愛する人』と言われていた会長が、子供を退園させなければならない状況まで追い込まれたことは、異常だと感じます」。この件については、区や事業者も認識しているという。だが、あくまでも保護者間での問題であるとの理由で、介入しないという姿勢だ。

2019年春までに必要な準備は、本当に間に合うのか。区は「問題はない、円滑に進んでいる」と主張する。しかし、現状に不安を覚える保護者たちとの認識の隔たりは大きい。「もし無事に開園できなかったら、大混乱です。開園できたとしても、人材不足で質の高い保育を確保できなかったとしたら・・・」と情報提供者は不安な心境を語った。

本記事で扱った事柄は、氷山の一角だ。今回は民営化計画の過程で生じたトラブルに焦点を合わせたが、その他にも多くの問題が発生してきた。それらは現在も進行中であり、解決の目途が立たない困難が山積している。様々な対立が生まれたとはいえ、安心して子供を通わせることのできる環境の実現は、保護者たちに共通の願いだろう。

 

高橋