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パルボウイルス騒動の猫カフェMOCHA、「安全対策に問題」と新たな指摘

昨夏、猫カフェ「MOCHA」立川店で飼育されている猫たちへのパルボウイルスの感染が発覚して騒動になった。パルボウイルスは感染力が強く、特に子猫の死亡率は高いとされている。本件は猫カフェの利用者を中心に話題になり、様々な情報や意見が飛び交った。また、安全面での不安を表明する声も多く見られた。

このたび、MOCHAの新店舗である「アルシェ大宮店」が2019年3月25日に開店した。ところが、開店して間もない27日、同店を訪れた人物によってTwitterで問題が指摘されるという事態に。当該のツイートを見た読者から、店の実態を調べてほしいという依頼が当サイトに寄せられた。

問題視されたのは、店の入口に設置された二重扉の外側の扉が、営業時間中に開いたままになっていたということだ。その様子を撮影した画像も公開されている。本件を暴露した人物曰く、自身が店を訪れた時点では外側の扉は開いたままになっていたが、営業終了時間になって退出した21時には閉まっていたとのこと。

 

問題を指摘した人物がTwitterに公開した画像。https://twitter.com/JwnvhG9i7gg8VOi/status/1111121096940544000

 

また、MOCHAの別の店舗でも同様に、外側の扉が開いたままの状態で営業していたと書いている。その店舗では、内側の扉の外まで猫が出てきてしまう場面も目撃したことがあるという。二重扉は、猫の脱走防止を目的として設置されているものだ。したがって、外側の扉が開いたままであれば、設置の目的が果たされていないことになる。

それが原因で猫が店から脱走してしまったら取り返しのつかないことになるかもしれないと、本件を当サイトに知らせてくれた人物は指摘する。そこで当サイトでは、実態を確認するべく現地を訪れた。MOCHA大宮店が入る商業施設の外壁や入口にも大きな広告があり、人々の注目を集めていた。店は、施設の5階にある。

 

 

 

当サイトが訪問した際には、外側の扉は閉められた状態になっていた。店内では利用客が猫と戯れており、その様子は店の外からもガラス越しに見える。二重扉の件を店に聞いてみたところ、「今は閉まっていますから、大丈夫です」という。開店当初は開いたままになっていたのかと尋ねたが、その点については回答がなかった。

 

 

通路に面した側はほぼガラス張りのため、店内の様子が見える。

 

続いて、猫カフェ協会に話を聞いた。同協会は、猫カフェの健全な発展の推進を目的に、環境省の動物愛護管理室からの要望に応えて2014年に発足したという。このたびの件については、協会でも把握済みだった。本件に限らず、MOCHA関連の各種の問題についての情報や相談が、数多く寄せられているそうだ。

猫カフェを開業するには保健所で業者登録を行う必要があるが、その際に各種の安全対策が条件の一部になっているという。猫の脱走防止対策も、その一つだ。関係書類を提出した後に、保健所の担当者による現場確認も実施されるとのこと。どこまで厳しく確認作業がなされるのかということは、地域によって差があるのが実態であるという。

対策が十分でなかった場合や、開業後に二重扉などの安全対策が機能していなかった場合には、保健所から改善の要請や指導がなされることになる。なお、MOCHAは現時点で猫カフェ協会には加盟していない。そのため、MOCHAに関する各種の問題に対して、協会として何らかの具体的な対応をとることは難しいようだ。

取材を終えた帰り際、施設内に掲示されたMOCHAの広告を見ながら、「あのウイルスのカフェじゃん、ここにもできちゃったのか」と二人の女性が話していた。一度失った信頼を回復するのは容易ではなく、人々の監視の目も厳しくなりがちだ。問題を指摘されてから対応するのではなく、率先して安全性の向上を図ることが重要だろう。

 

高橋 

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